2017 Fiscal Year Research-status Report
実応用に向けた非線形力学系を用いた最適化手法と機械学習の融合技術の開発
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16K00324
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡本 卓 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任准教授 (40451752)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大域的最適化 / システム工学 / ソフトコンピューティング / 機械学習 / 計算知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,実問題に応用可能な非線形力学系モデルを用いた最適化手法と機械学習の融合技術の開発を目的とした研究を実施している。 本年度は,(1) 勾配正規化と学習率調整機構を導入したミニバッチ学習法の提案,(2) SMOを用いた最適経路選択問題の高速解法の提案,(3) 計算知能技術の実問題への応用,(4) カオス最適化手法のパラメータ調整法の高速化を行い,2件の査読付き国際会議での発表,4件の国内学会発表を行った。 (1)では,Deep Learningの学習アルゴリズムの1つである勾配正規化機構を有するミニバッチアルゴリズムに対して,勾配の符号変化に基づいた学習率調整機構を導入したアルゴリズムを提案し,その有効性を検証した。(2)では,前年度に提案した逐次最小化最適化法を用いた利己的経路選択ゲーム問題の解法を最適経路選択問題の高速解法として応用した手法を提案し,その有効性を検証した。(3)では,最適化技術を応用した形式不明データの自動分割法と,CNNを応用したトイレ見守りシステムにおける安全性判断システムを提案し,その有用性を示した。(4)では,すでに提案したファイゲンバウム定数の計算法に基づいたカオス最適化手法の初期離散化幅調整手法について,その高速化アルゴリズムを提案した。 いずれの研究成果においても,実問題に応用可能な非線形力学系モデルを用いた最適化手法と機械学習の融合技術に資する成果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究計画にしたがって研究を遂行した結果,研究実績の概要でも説明したように,本研究課題の目的に大きく寄与する手法と解析結果を得るに至っている。本年度に得られた一部の成果は,学術論文誌に投稿を準備中である。したがって,おおむねに順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた研究成果をさらに発展させ,非線形力学系モデルを用いた最適化手法による深層学習法の改良,ラグランジュ・ニュートン力学系モデルを用いた有制約最適化手法の改良と応用,SOMの派生法を用いた選好解探索手法の改良,SMOを用いた最適経路選択問題の高速解法の改良等の研究を行い,その成果を取りまとめる。
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