2017 Fiscal Year Research-status Report
小規模人感センサーネットワークに基づく行動パターン認識に関する研究
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16K00334
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
趙 強福 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90260421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | センサーアレー / スマートホーム / 在宅ケア / 機械学習 / プライバシー配慮 / 機械学習 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度において、以下のことを実施した。 1)3x5個のセンサーで構成される新しいセンサーアレーを構築した。センサーモジュールは、いままで使用していたZigBeeセンサーより、600倍のサンプリングレートがあり、データの収集が非常にやりやすくなった。また、USBケーブルで電源供給とデータ伝送を同時にできるようにしたため、電池交換やデータロスなどの問題がなくなった。 2)位置認識、動作強度認識、位置と動作の同時認識、位置の推定、人物と位置の同時認識などを行った。位置の認識については、実験室の中で、被験者が16カ所にいるときのデータを(3分間/位置)取得した。位置以外の要因をできるだけ抑えるために、被験者の向き、姿勢、動作などに適切な制限をかけた。取得したデータを元に、さまざまな機械学習モデルの性能について5分割交差検証を行った。機械学習モデルの入力は、15個のセンサーから得られた2進数データを、移動平均(MA)したものであった。センサーが2項分布に従って2値データを出力することを仮定して、MAは1が出る確率である。この確率は、他の要因を固定する場合、被験者の位置によって決められる。従って、15個のセンサーのMAをもとに、被験者の位置を認識することができると考えられる。実際、階層型ニューラルネットワーク(MLP)、サポートベクトルマシン(SVM)、決定木(DT)、ランダムフォーレスト(RF)などをどれを利用してもほぼ100%の認識率が得られた。動作強度認識実験では、前記16カ所にいる被験者が、遅いから非常に速い、8段階を設定した速さで、拍手の動作をした。結果、どこにいても、動作の強さ(拍手の速さ)を上記のMAをもとに非常に高い率で認識できた。他の実験についても、似たような結果が得られた。これらの結果を整理し、これから国際会議、学術雑誌などに投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいセンサーアレーを構築するために時間がかかったが、それを利用して年度後半でさまざまな実験を行い、効率的にデータを取れた。それをもとに、数多くの面白い結果が得られている。もともと予定していた(日常生活によく現れる)行動認識については、難易度を下げて、行動強度認識に変えた。行動強度の時系列から、通常の行動を認識することができると思われる。この意味で、当初の目標をより達成可能にした。また、任意の位置を推定することについても、問題点を発見し、これから原因を究明したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度において、以下の研究を計画している。 1)必要最小限のセンサー数について検討する。15個のセンサーを利用すると、ほぼ完ぺきに位置、動作強度、などを認識できたので、プライバシー配慮の立場で、センサー数を更に減らすことができるのではないかと思われる。 2)位置推定と追跡:与えられた位置ではなく、任意の位置を推定し、被験者を追跡する。追跡の結果は、時系列となるので、居住者の日常行動パターンを推定するために利用できる。 3)行動の強弱を認識してから、それを時系列として、ご飯を食べる、お茶を飲むなどの動作を認識する。 4)動画認識を行い、実験データの自動ラベリングをする。 5)本研究の結果をまとめる。
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