2016 Fiscal Year Research-status Report
時間逆転シミュレーション法のレアイベントサンプリングへの応用とデータ解析への展開
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16K00345
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| Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
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Principal Investigator |
伊庭 幸人 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (30213200)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | モンテカルロ / レアイベント / 時間逆転 / 確率微分方程式 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は（１）欧文の論文の執筆，（２）粒子の分裂・消滅（リサンプリング）を含む逐次モンテカルロ解法の導入とその効果についての数値実験，（３）初期値（もとのシミュレーションにおける最終時刻値）の選定法の改良（４）尤度計算への応用を行う際のプロトタイプとなる問題の検討，を行った．また，本研究の内容について京大情報学研究科のセミナー（2017年2月)，および統計数理研究所で行われた国際研究集会(2017年3月)で発表した．
（１）については，論文の草稿（2段組み12ページ）がほぼ完成しているが，細部を検討中で，投稿には至っていない．（２）については，本研究の準備段階で検討したがうまく機能しないためいったん中止していたが，ステップ数が多い場合を含めて再度検討したところ，有効であることが判明した．現在，主としてローレンツ96モデルで数値実験を行っており，論文に含めるべく検討中である．（３）については，「確率台風モデル」への応用では時間逆転シミュレーションでの初期速度ベクトル（もとの問題でのゴールでの速度ベクトル）の値に任意性が生じるが，そこに適度な制限（たとえば「東京に北方から侵入する台風はない」）を加えることで実質的にバイアスなしで効率を改良可能なことを示した．（４）については「未知パラメータを含む離散状態の確率過程モデルで初期条件が空集合となる」という条件を満たすものとして，複雑ネットワークのBAモデルやurnモデルにべき乗則を組み込んだ拡張版などを検討した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
（１）共同研究者（有職者の大学院生）が業務で多忙で十分に研究時間がとれなかった（２）粒子のリサンプリングの効果があることが判明してそこまでを内容に含めることになった，の２つの理由で，採択時の研究計画では本年度中に完了する予定の論文の投稿が完了していない．すでに草稿が完成しており，遅くとも次年度前半には投稿可能と思われるが，総合的にみて「やや遅れている」と判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度前半までに論文を投稿する．それ以降は（１）尤度計算への応用（２）「ガイド場」を組み込んだ時間逆転シミュレーション法の開発，の研究を行う予定である．またレアイベントサンプリングの研究者を海外から招聘して情報交換を行うことを計画している．
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| Causes of Carryover |
論文の執筆が遅れたため研究の進展がやや遅れていること，また，健康面から海外出張に制限があることから，次年度使用額が生じた．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
複数の外国人研究者を招へいして討論および研究集会の開催を行うための旅費に使用する．また，一部は国内で研究発表および情報収集を行うための旅費としても使用する．
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Research Products
(2 results)
