2019 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of time reverse Monte Carlo method and its relation to data analysis
Project/Area Number |
16K00345
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
伊庭 幸人 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (30213200)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時間逆転 / モンテカルロ法 / 逐次モンテカルロ法 / 確率過程 / 最尤推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに提案した時間逆転シミュレーション法の問題点として「時間逆転によって求めた確率的経路の一部が初期分布の確率密度が高い領域と違う方向に行ってしまう」という点がある.提案手法ではこのような経路は結果に算入されないので,バイアスは生じないが,計算効率が低下する.この問題について「初期条件のほうに引っ張る外力」を導入することで,結果のバイアスなしに効率を改善する方法を提案し,確率台風モデルの数値実験で効果を検証した.また,外力の影響が強くなりすぎないようにモニターする方法についても考察した.この結果は高柳慎一氏(総研大博士課程)との共同研究である. また,データ解析への応用として「逐次的に確率的に形成される点配置の統計モデルの最尤推定」への応用を考察した.例としては,1列あるいは2次元的に配置した椅子に複数の人が座るとき,最終的な配置のみを見て,途中の過程での人どうしの反発や吸引の強さや距離依存性を推定する問題がある.点配置データの解析は生態学など各種の分野に応用があり,統計モデルとしてギブス点過程を考える場合にはMCMCによって尤度計算を行う方法が知られている.今回は,ギブス点過程でなく逐次的な形成過程を仮定する場合に,点(上の例では人)を1つずつ除去していく時間逆転過程によって尤度計算を行う方法を検討した.1次元格子上の問題について具体的なアルゴリズムを構成したが,数値実験による実証には至っていない.
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