2017 Fiscal Year Research-status Report
四足歩行・走行における歩容生成・遷移の物理的メカニズムに関する構成論的理解
Project/Area Number |
16K00353
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 浩 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (40192562)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 四足歩容自律遷移 / 身体性と位相ダイナミクス / 四足歩容自律適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
四足動物の移動速度に応じた歩容(walk, trot, bound)間自律遷移のメカニズムを,抽象的な数式のみで表現される位相ダイナミクスのレベルではなく,身体性やセンサーフィードバックと結びつけ,実世界での物理現象として説明できるレベルの仮説として提案し実証を試みる. これまでの研究実績として,低速walk歩容において支持脚期から遊脚期への脚相遷移に脚負荷を用いることにより姿勢制御とリズム運動制御を統合することが出来る制御器を設計し,姿勢制御への摂動に対して有効に働くことを示した. 次の段階として,リズム運動制御への摂動に対してもこの制御器が有効であることを示すために,split-beltトレッドミル(左右のベルト速度を独立に変えることができるベルトコンベーア)上での歩容適応のシミュレーションおよびロボットを用いた実験を行った.結果を除脳ネコの小脳レベルでのsplit-belt歩容適応実験結果と比較することにより,提案した手法の妥当性を示した.すなわち,tied-beltトレッドミル(左右のベルト速度が同じ)の速度を上げたとき,ベルト速度の変化情報がPEP(Posterior Extreme Position)腰ピッチ関節角度として位相ダイナミクスに入ることにより,安定した歩容すなわち脚の加負荷・除負荷パターンが不安定になり,それにともないロール面内姿勢が不安定になったとき,提案したこの手法がセンサーフィードバックにより脚間位相差を調節し結果としてwalkからtrotへの歩容遷移を生じさせるメカニズムとなりうることを実験で示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
split-beltトレッドミル上での歩容適応,すなわち,片側ベルト速度の変化により安定した歩容が不安定になるが脚間位相差が適切に調節される手法を提案しシミュレーションにより有効性を示した.同じ手法を四足ロボット「小鉄」に適用しsplit-beltトレッドミル上での歩容適応を実現した.さらに,tied-beltトレッドミルの速度を上げたときの自律歩容遷移にこの手法がそのまま適用可能であるかどうかを現在シミュレーションにより検証中である.一方,「小鉄」の腰ピッチ関節駆動部を機械的剛性の連続的な変化が可能なように改造する件はまだ設計段階である.
|
Strategy for Future Research Activity |
低速walk歩容において支持脚期から遊脚期への脚相遷移に脚負荷を用いることにより姿勢制御とリズム運動制御を統合することが出来る制御器により,tied-beltトレッドミルの速度を上げたときtrot歩容への自律遷移が可能なことをシミュレーションとロボットを用いた実験により示す.また,左右脚間だけでなく前後脚間の位相調節メカニズムを導入し,bound歩容への自律遷移が可能なことをシミュレーションにより示す.さらに,「小鉄」の腰ピッチ関節駆動部に機械的剛性可変機構を導入し,bound歩容への自律遷移が可能なことを実験により示す.
|
Causes of Carryover |
四足ロボット「小鉄」の腰ピッチ関節駆動部を機械的剛性変化可能とするための改造がまだ設計段階であるため
|