2017 Fiscal Year Research-status Report
精度保証を考慮した環境計測用飛行ロボットの移動経路計画
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16K00360
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
道木 加絵 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (00350942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟洞 佑記 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20633548)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 飛行ロボット / 経路計画 / インフラ点検 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、風の影響による飛行ロボットの移動のばらつきや環境の事前情報と実際が異なる状況下で、環境に衝突することなく対象範囲内の環境を確実に計測することを目的とした飛行ロボットの移動経路計画手法の確立を目的とする。 今年度は事前の環境情報に誤差が存在しない状況下で、風の影響や飛行ロボット自身の移動にばらつきが生じる状況下において、計測精度を保証する飛行ロボットの移動経路を生成する手法を構築した。風の影響や飛行ロボット自身の移動のばらつきは事前の実験棟により見積もり可能という条件の元で、移動にばらつきが生じても測定対象を確実に計測出来る範囲を求め、この計測可能範囲を用いて前年度に構築した手法に基づき飛行ロボットの経由点生成と経路計画を行った。構築した手法の有効性をシミュレーションによる経路生成実験により検証した結果、風の影響や飛行ロボット自身の移動のばらつきの程度に応じて経由点を増減させることで計測精度を保証する飛行ロボットの移動経路が生成可能であることが示された。 続いて、今年度は経由点生成手法の改善を行った。前年度の手法では計測対象の情報が三角ポリゴンで与えられている仮定の下、各三角ポリゴンの中心で飛行ロボットが計測対象を計測する時にその三角ポリゴンが計測範囲内に入らない場合はその三角ポリゴンを分割して新たな経由点を生成していた。しかし、この方法では三角ポリゴンの初期形状に応じて計測不可となる領域が多く発生した。そこで、計測対象の三角ポリゴンを最初に細かく分割し、クラスタリング手法によって一度に計測する領域を纏めて経由点を生成することで、計測不可となる領域を減らすことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測精度を保証するための飛行ロボットの移動経路計画手法については、当初の計画以上の成果が得られている。すなわち、当初の計画にあった風の影響や飛行ロボットの自身の移動のばらつきが存在する状況において、計測精度を保証した飛行ロボットの移動経路計画手法の構築は実現した。更に、前年度で生じていた計測不可な領域を減らす手法について検討を行い、飛行ロボットの移動における経由点生成手法を見直すことで計測不可な領域を著しく減らすことができた。 一方で、提案手法の有効性を検証するための実機実験についてはまだ未着手である。現状は実機実験システムの基本システムの構築が終わり、テスト飛行が終了した段階である。これは、初年度に実機実験システムを構築する時間がほとんど取れず、今年度になって本格的に着手できたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
確実かつ精度を保証して計測対象を計測するための飛行ロボットの移動経路計画手法については、現状では当初の計画以上に進んでいる。そのため、今後は計測対象の規模を大きくした場合の計算量や計算時間の評価、計算時間の減少を目的とした移動経路計画手法の改善、計測不可な領域の更なる現象を目的として計測対象に対する計測角度条件を緩めた場合の経由点生成と飛行経路計画手法の検討等を行う予定である。 一方で、提案手法の有効性を検証するための実機実験については当初の計画からかなり遅れているのが現状である。本研究課題は初年度の期間が非常に短かったこともあり、実機実験システムの構築は実質1年しか行えていないのが理由である。テスト飛行が終了した段階の現状では、実機ロボットに合わせた移動経路計画を行うのに必要である実機飛行ロボットの移動特性について更なる検証が必要な状況である。また、提案手法の有効性を検証するのに適した計測対象の条件についても同時に検討を行う必要がある。更に、実機実験を遂行中の計測対象に対する飛行ロボットの位置計測や、各計測位置で得られた計測データの収集方法等の構築も必要である。そこで、今後は前述のような実機実験システムの更なる改善を行うと同時に、実機ロボットの移動特性を明らかにするための実験を行う。一方で、実機実験で用いる計測対象に対する条件の洗い出しを行い、複数の計測対象を設定する。その後、実機ロボットの移動特性を考慮に入れて飛行ロボットの移動経路を生成して実際に計測対象を計測し、計測結果を合成した結果で計測対象をまんべんなく計測できるかを検証する。
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Causes of Carryover |
追加採択のため実装が遅れている実機実験システムの構築に充てる事を予定している。また、翌年度に国内外での研究成果発表や論文発表等を控えているので、これに掛かる費用として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)