2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00361
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
池本 有助 名城大学, 理工学部, 准教授 (10377822)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機械学習 / 制御ネットワーク / 四脚ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では四脚ロボットの歩容パターン遷移を実現する制御器を構築することを目標としている.平成29年度では,四脚ロボットの歩容におけるセンサデータを多点的かつオンラインで取得する実験システムを開発した.開発した実験システムでは,様々な歩容実現に特化した単純な4自由度ロボット,および,脚を模倣した8自由度ロボットを選定し, FPGAを使用した四脚ロボットにおける身体に加わる内力,及び環境の力学的相互作用をオンラインで計測することが可能であることを確認した. 四脚ロボットの運動では,制御と各種センサ値を10[ms]毎に取得する実験システムを設計・開発した.さらに,オートエンコーダとよばれるニューラルネットワーク用いて,入出力関係を機械学習により分析する,ビヘイビアアプローチによって自然かつ柔軟な理論的枠組みを構築した. ビヘイビアアプローチ基づく機械学習に関する研究として,人の運動軌道に着目した例があるが,本研究では,軌道のみならず,センサとアクチュエータから,力・速度情報をオンラインで同時取得可能なハードウェアを開発し,ビヘイビアアプローチにより新しい歩容パターン生成の可能性を検討する.さらに,四脚歩行ロボットの歩容パターンを,運動データからの機械学習に基づく特徴量を抽出するシステムを構築した. 上記の研究成果は,国内会議にて2件発表済みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四脚ロボットの設計・制作について:運動を精密に調査するためには,実機は多様な歩容パターンを実現し,高速でモータ制御,センシング能力を持つハードウェアが必要である.我々の研究用途に特化したハードウェアを設計・開発した.本研究ではFPGA(後述)を用いパラレル・オンライン制御および内部状態を計測可能な制御ボードを用い,これを実装し歩容パターンを実現可能,四脚ロボットの多点的な情報取得可能な実機を開発した. FPGAを用いたオンライン計測・制御システムの開発について:本研究では,四脚ロボットの歩容におけるセンサデータを多点的かつオンラインで取得する実験システムを開発してきた.現在,ロボットの歩容実験における,足裏ひずみゲージセンサ値,各関節の角度・角速度・角加速度,アクチュエータの電流値,およびメインボディのジャイロ・加速度センサ値の全てを,計測するとともに,アクチュエータへの運動目標値指令を同時にパラレル制御するシステムをFPGAボードを用いてverilog言語にて開発をした. 機械学習の実装について:本研究では,データの特徴を抽出するのに用いるオートエンコーダを使用した.オートエンコーダでは,中間層にて,ロボットの運動データの特徴量を少ない特徴量で表現することが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
四脚ロボットの設計・制作について:平成29年度にて,歩容パターンを実現可能,四脚ロボットの多点的な情報取得可能な実機を開発したが,各関節が全てダイレクトドライブによる駆動を採用しているため,アクチュエータへの制御入力がしばしば複雑にみえる.これを解決するために,実存する四脚動物の筋骨格機構を模倣した,ハードウェアを開発する.現在,四脚ロボットは様々な形のものが開発されているが,本研究では,オンラインで機械学習可能であることに特化したハードウェア設計を推進する. FPGAを用いたオンライン計測・制御システムの開発について:現在は,同時・多点的な計測・制御の実現のためにFPGAボードを使用している.さらに,ニューラルネットワークなどの機械学習もFPGAにおけるロジック回路での実現を目指す.これにより,高速かつ大容量のデータをオンラインで機械学習にかけることが可能となることが期待される. 機械学習の実装について:機械学習プログラムはPythonにて記述し,研究担当者が使用するライブラリ共有化を図る.これにより,以後の機械学習に関する研究が飛躍的に促進されることが期待される.
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Causes of Carryover |
申請研究初年度に,ハードウェア設計制作,および実験システム構築のために必要な物品を購入した.これらをベースにしてハードウェア開発を進めると同時に,機械学習の実装も平行して遂行した.機械学習の実装には,多大な時間的コストを要することを確認し,それらに関する研究を優先させたため,そのたの電子デバイスや実験機などの物品購入が次年度以降となった.そのため,次年度使用額が生じた. 次年度では,ハードウェア開発のみならず,機械学習のための高速処理可能なデバイス・機器を剪定し,実験システムに実装する.
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