2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00369
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光吉 俊二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (30570262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 修二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10325897)
中村 光晃 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30772975)
徳野 慎一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40508339)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 音声感情認識 / 音声病態分析学 / 道徳感情数理工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、別の医療実験として歯科医の検死実習での音声取得からで得られた「不安」「恐怖」音声を分析した。その理由は、現実問題として研究倫理規定が国の方針変更で、音声情報全てが個人情報となり、厳しくなったため、全ての申請を再度見直しとなったためである。また、被験者へのストレスが問題となるため、別の医療研究での実験で得られた音声を使うことにした。実験は遺体の身元確認時における歯科医師のストレスを測定するために身元確認研修会において、参加者の遺体実習前後の音声から元気圧を測定し、その変化の様子を調べた。マネキン実習を経て遺体実習を行った参加者Aとマネキン実習を経ずに初めて遺体実習を行った参加者Bで遺体実習前後の元気圧変化を比較したところ、BのほうがAに比べて元気圧変化が大きかった。これはBの参加者は、初めて遺体に直面したときに感じたストレスによって気分が高揚したものと考えられる。(学会発表済み)
本研究では、この実験結果を不安と恐怖の観点から再分析を行った。すなわち、参加者は遺体実習を行うまでの間は不安を感じていると定義し、遺体実習を行っている間は恐怖を感じていると定義して分析を行った。初期解析の結果、恐怖体験をする前に不安を感じる時間がないときは元気圧変化が大きくなる傾向にあり、不安を感じる時間があると元気圧変化が小さくなる傾向にあった。これは不安を感じることで心の準備ができ、恐怖体験時の興奮が抑えられた結果だと考えられる。しかし、不安を感じる時間が長くなると逆に元気圧変化が大きくなった。これは過度に不安を感じたことで心の準備の効果が薄まり、恐怖体験時に興奮してしまったものと考えられる。(未発表・発表予定) 本研究ではまた、医学部から工学部に移籍したため、次の実験を「恐怖」に対し、「奇異」なモノへの反応と定義して進めるため、新規で工学の倫理申請を行いその実験許可を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東京大学での所属変更と倫理申請の遅延により、若干の計画の遅れがあったが、別の実験からこれを補完する研究が行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、「恐怖」とそれ以前の予測感情である「不安」との関係を定量化し、学会で発表する。また、倫理申請にある実験手法の実施での奇異なモノへの反応と順応性の比較を行う。これにより、恐怖対象への予測である「不安」から、実際の恐怖と、それに対応する順応性や共感力のメカニズム解明の手掛かりを得る。
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Causes of Carryover |
東京大学での所属変更と倫理申請の遅延により、若干計画に遅れがあったため。倫理申請が承認されたので、次年度にはその実験手法に基づき研究を進める予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Major Depression Index Derived from the Relationship between Hurst Exponent and Zero Crossing Rate in Voice2017
Author(s)
Shinohara S, Omiya Y, Nakamura M, Higuchi M, Hagiwara N, Takano T, Toda H , Saito T , Tanichi M , Yoshino A, Mitsuyoshi S,
Organizer
Neuroscience 2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Feasibility Study of Classifying Major Depressive Disorder and Bipolar Disorders Using Voice Features2017
Author(s)
Nakamura M, Omiya Y, Shinohara S, Mitsuyoshi S, M Higuchi, Hagiwara N, Takano T, Toda H, Saito T, Tanichi M, Yoshino A, Tokuno S
Organizer
XVII World Congress of Psychiatry (Berlin)
Int'l Joint Research
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