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2016 Fiscal Year Research-status Report

音楽嗜好性関連脳波の探索

Research Project

Project/Area Number 16K00373
Research InstitutionKyushu Institute of Technology

Principal Investigator

夏目 季代久  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (30231492)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords音楽嗜好性 / 脳波 / θ波 / α波 / γ波 / 音楽聴取 / 嗜好判断
Outline of Annual Research Achievements

10名の健常な右利き男性23.5±0.9歳(平均年齢±標準偏差)に参加して貰った.参加者は音楽1曲につき60秒聴取し、その後5秒の嗜好を考えて貰い次の5秒間で回答した.その後休憩20秒をはさみ、次の楽曲を聴いた.これを30曲分繰り返した.嗜好判断は好き嫌いを6段階に分けて選択して貰った.脳波測定は国際10-20法に基づき、アース電極をFpz、参照電極を左右乳様突起とした.EEGを短時間フーリエ変換を用いてθ波(4-7Hz)、α波(8-13Hz) 、β波(14-29Hz) 、γ波(30-100Hz;ハムノイズの60Hz近辺は除く)の各周波数帯の時間平均パワー値を計算した.時間平均パワー値は嗜好判断時前2秒間でベースラインコレクションを行い、前半、後半各2.5秒に分けて計算した.また楽曲の6段階の嗜好評価とEEGパワー値との間に相関が見られるかピアソンの相関係数を計算した.
全参加者の結果をまとめた所、全員から音楽嗜好判断スケールに相関する脳波が見つかった.α波、θ波等低い周波数脳波は嗜好評価と正の相関、高周波のγ波は逆に負の相関傾向があった.中間周波数のβ波は、嗜好判断と正負両方の相関があった.嗜好関連γ波は嗜好判断時前半に出現したが後半では出現しなかった.それらの嗜好関連脳波の出現の仕方は人によって異なった.嗜好関連脳波が後半で多くなる人、逆に少なくなる人がいた.前者の人では正の相関があるθ波が後半に出現していたが、後者では負の相関を持つβ、γ波が出現していた.
以上の結果から、楽曲聴取後の嗜好判断時に経時的に嗜好相関脳波が出現する事が明らかになった.特に低周波であるθ波、α波は”好き”に、γ波は”嫌い”に関係する事が明らかになった.先行研究でも、好きな曲と判断した時はθ波が、嫌いな曲と判断した時はγ波が出たので、今回の結果はその結果と合っていると考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請書に記載したように1年目の実験計画である音楽嗜好性の脳波バイオマーカが存在する事が明らかになったので。

Strategy for Future Research Activity

「9.研究実績の概要」で見つかった脳波特徴が、被験者内で安定した脳波特徴なのか、同様の実験を実験初日の1週間後、1ヶ月後、6ヶ月後に行い、音楽嗜好性脳波特徴の安定性について調べる。
起きた直後の午前中と活動している午後では、気分が異なる。その気分の違い、音楽嗜好性脳波特徴に影響があるかを、午前と午後とで、H28年度と同様の実験(以下(A)とする)を行い、両者の時間で特徴が異なるか測定する。
また気分と音楽嗜好性との関係を次の2つの方法で調べる。1)過去に起こった嬉しい事、悲しい事及びこれから起こるそれらの事を想像して貰い、その後、(A)の実験に参加して貰う。(A)の音楽嗜好性及び嗜好性脳波特徴と異なるか調べる。2)落ち込んだ気分の時に音楽嗜好性の変化があるかどうかを、仮想的に仲間外れにされる”サイバーボール”ゲームを、被験者に行わせ、(A)の音楽嗜好性及び嗜好性脳波特徴が変化するか測定する。”サイバーボール”ゲームとは仮想現実でのキャッチボールの事である。被験者は、最初、画面の相手と7回ボールを投げ合うが、その後、画面中の参加者同士がボールを45回投げ合うのを見ているだけになる。その時、画面の参加者は被験者にボールを投げてくれない。このゲーム実行後、被験者は疎外感を受けると報告されている。それを確かめるために、脳波測定と共に被験者にアンケートを行う。

Causes of Carryover

次年度の物品購入のために使用するため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度予算と合わせて、千円以下の端数の支出に使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] The Emergence of Music-preference-related Electroencephalogram2017

    • Author(s)
      Yuya Tsuji, Shinya Kudou, Hirokazu Sadahisa, Kiyohisa Natsume
    • Organizer
      NOLTAソサイェティ大会2017
    • Place of Presentation
      中京大学 名古屋キャンパス(愛知県名古屋市)
    • Year and Date
      2017-06-10 – 2017-06-10
  • [Presentation] 音楽嗜好脳波を用いた音楽提示システム開発に向けた基礎的研究2017

    • Author(s)
      辻 湧弥、夏目季代久
    • Organizer
      NC/NLP合同研究会
    • Place of Presentation
      北九州学術研究都市 産学連携センター(福岡県北九州市)
    • Year and Date
      2017-01-26 – 2017-01-27

URL: 

Published: 2018-01-16  

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