2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K00399
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂田 克己 前橋工科大学, 工学部, 教授 (90545419)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
転写物とタンパク質を含む遺伝子制御系について、構成要素の因果関係をベイズネットワークで記述した。そこでは、mRNA発現量がタンパク質を介して、単位時間経過後のmRNA発現量を帰還制御するが、タンパク質発現量は環境ストレス変動の影響を受ける。このタンパク質発現には環境刺激に対する最大・最小応答可能レベルが有ることから、対応できる環境刺激の範囲が限定される。この関係を、mRNA発現量とタンパク質発現量の時間変化波形の類似度に相当する相互情報量、及びmRNA発現量の時間変化波形の無秩序さに相当するシャノンエントロピーの削減量で測った系の制御性能について、環境刺激レベルの増分との関係性を定式化した。これらの成果については、学会発表1(2018 SIAM Annual Meeting、口頭発表)及び2(第41回日本分子生物学会年会、ポスター)で発表した。 捕食者-被食者生態系における捕食者と被食者のバイオマス間の関係性について、情報理論的モデルによる定式化及びシミュレーションを実施した。この成果は学会発表3(日本応用数理学会 2019年 研究部会連合発表会、口頭発表)で発表した。 本研究用に代謝ネットワークシミュレーションプログラムを開発してきたが、そのシミュレーションプログラムを発生初期段階に湿害ストレスを受けるダイズの代謝系解析に適用した。その結果から、複数の酵素タンパク質の改変を組み合わせることで、湿害ストレスの影響を緩和できることが示唆された。この結果は、酵素タンパク質の発現を測定したプロテオーム解析結果と共にまとめ、欧州学術誌Int.J.Mol.Sci.(インパクトファクタ3.6)にてオープンアクセス論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子制御系及び捕食者-被食者生態系のモデル化に見通しがついた。また、それらの成果を纏めているが、そのうち一報は論文作成がほぼ完了した。また、もう一報は2019年度内に開催される国際学会において、口頭発表としてアクセプトされた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で見通しが得られたモデルの詳細解析および、そのモデルに基づいた詳細なシミュレイションを進め、研究成果を論文及び国際学会にて発表する。
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Causes of Carryover |
(理由) モデル構築と数理的なモデル解析に研究を集中した為、消耗品費等の物品費が予想よりも掛からなかった。また、作業を効率化して、当初予定にあった博士研究員の人件費を削減できた。 (使用計画) 研究成果の論文と国際会議での発表を行う。
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