2019 Fiscal Year Annual Research Report
Induced orderliness in biological networks
Project/Area Number |
16K00399
|
Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂田 克己 前橋工科大学, 工学部, 教授 (90545419)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 生物ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
捕食者-被食者生態系について、捕食者と被食者の間の因果関係をベイズネットワークで記述した。そこでは、被食者のバイオマスが、捕食者を介して単位時間経過後の被食者のバイオマスを帰還制御するが、捕食者のバイオマスは環境ストレス変動の影響を受ける。この捕食者のバイオマスは環境刺激のレベルにより定められる容量の範囲内に限定される。この関係を、被食者のバイオマスと捕食者のバイオマスとの時間変化波形の類似度に相当する相互情報量、及び被食者のバイオマスの時間変化波形における無秩序さに相当するシャノンエントロピーの削減量で測った系の制御性能について、環境刺激レベルの増分との関係性を定式化した。
開発した上記の情報理論的モデルは生態系のダイナミクスに独立であり、気候変動に対する捕食者-被食者生態系の維持管理計画の立案に有効であることが数値実験で確かめられた。古典的なロトカボルテラ型の数理モデルとの比較では、開発したモデルの方が少ない仮定に基づいているのにも拘わらず、環境変動の影響の適切な予測値を与えていた。
これらの成果について国際学会発表(11th International Conference on Bioinformatics, Biocomputational Systems and Biotechnologies、2019 口頭発表)を行ったところ、査読付き国際ジャーナルへの論文投稿の招待を受けた。更にディスカッションなどを拡充した論文はInternational Journal on Advances in Life Sciences誌(オープンアクセス)に受理された(2020年6月現在 in press)。
|