2018 Fiscal Year Annual Research Report
Network analysis of IGF2BP3 and its related molecules
Project/Area Number |
16K00406
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
工藤 光洋 日本医科大学, 医学部, 講師 (20256978)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | IGF2BP3 / IMP3 / 大腸がん / 遺伝子ネットワーク / 次世代シークエンス / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ヒト大腸がん細胞株SW620(SW480のリンパ節転移株)でのIGF2BP3の発現レベルはSW480に比べ高い傾向があり、IGF2BP3のsiRNAによるIGF2BP3ノックダウン(KD)することにより各細胞株の細胞増殖能の低下が確認された。(2)SW480をIGF2BP3のsiRNAにて処置し、0, 2, 4, 8, 24時間と経時的にIGF2BP3 mRNA 発現量 が低下したことを確認した。さらに次世代シークエンサー解析により40448遺伝子のmRNA発現が解析され、そのうち、IGF2BP3KDに伴い883遺伝子の発現が低下し、1333遺伝子の発現が増加していた。これらの遺伝子に関して遺伝子ネットワーク解析を行った。(3)SW480はSW620に比べ癌幹細胞マーカーとして知られるCD44のmRNAレベルが有意に高く、さらにIGF2BP3KDによりCD44発現レベルが上昇することが見いだされた。IGF2BP3のstemnessへの影響についてsphere形成能をstemnessの指標として検討したが、IGF2BP3がsphere形成能に影響しないことが認められた。 (4)さらにIGF2BP3のタンパク質発現に対する影響を検討するため、IGF2BP3のsiRNA処置実験から得られたタンパク質発現量の変化を質量分析装置(LC-Mass)で測定し、プロテオミクス解析を行った。 (5)大腸がん細胞株SW480、SW620においてIGF2BP3発現が細胞増殖に影響しており、IGF2BP3のノックダウンにより大腸がん細胞の増殖が抑制できることが確認された。しかしIGF2BP3がsphere形成能には影響しなかったことより、大腸がんのstemnessにIGF2BP3が影響する可能性が低いことが示唆された。 現在、IGF2BP3が影響与える分子のオミックス解析を行っている。
|