2018 Fiscal Year Research-status Report
シグナル伝達系の挙動に基づく神経系・免疫系の調節機構のシミュレーション法の確立
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16K00408
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山田 訓 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20393506)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血液脳関門 / ゲート形成 / コンピュータシミュレーション / 血管内皮細胞 / NFkB / IL-6 / Th17 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経系と免疫系による体内調節の分子メカニズムの解明が必要である。北海道大学の村上教授は、重力による刺激で常時交感神経が活動している第5腰椎近傍では、交感神経末端から放出されるノルアドレナリンが血管内皮細胞に作用して、免疫細胞が中枢神経に侵入するゲートになることを見出した。自己免疫性のT細胞が存在すると、T細胞がゲートから脊椎内に侵入する。シグナル伝達系パスウエイの挙動に基づく臓器細胞の挙動の神経系と免疫系による調節機構のモデル化の第一段階として、血液脳関門のゲート形成のモデル化に取り組んだ。今回のモデルでは、第5腰椎近接の血管内皮細胞内で、NFkBの経路とIL-6の経路の挙動を計算することによって炎症アンプをモデル化した。炎症アンプの挙動の計算とともに、血管内皮細胞周辺のサイトカイン濃度やTh17細胞の挙動を計算するモデルを構築した。昨年度構築した交感神経の発火パターンで刺激するモデルを用いて、T細胞の侵入量の発火頻度依存性と自己免疫性T細胞濃度依存性を計算した。交感神経の平均発火頻度は、第5腰椎で最も高く、周辺では次第に小さくなっていると考えられる。IL-6経路の抑制性タンパク質であるSOCSが働かないF759マウスとwild-typeマウスを比較すると、平均発火頻度依存性が異なるので、F759マウスの方が第5腰椎周辺の広い範囲でT細胞の侵入が観察されると予想された。北海道大学の村上教授の研究室でF759マウスとwild-typeマウスの第5腰椎周辺のT細胞の侵入を観察すると、F759マウスの方が広い範囲で多くのT細胞が侵入していることが観察され、シミュレーションの予想と一致した。ゲート形成のモデル化と実験結果との比較に関し、日本免疫学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫系と神経系の相互作用とその調節メカニズムを解明することが多くの疾患の発症メカニズムを理解する上で重要である。今年度は自律神経の発火頻度依存性からF759マウスとwild-typeマウスの挙動の差を予想し、実験により予想通りの結果であることを確認した。9月に心臓外科の手術を受け1か月の入院と療養を行ったので、侵入した免疫細胞による神経系への影響はモデル化を行うことができなかった。免疫細胞が放出する分子によるシナプス伝達やシグナル伝達系の変化をモデル化すればよいので、この部分の構築は容易であり、少し遅れている状態であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲート形成におけるF759マウスとwild-typeマウスの違いについて、北海道大学村上教授と連携し、実験結果とモデルの結果を比較し、実験結果と一致するようにモデルの改良を行う。今回のモデルに侵入した免疫細胞が放出する分子の神経細胞に対する影響のモデルを追加し、ゲート形成全体の調節機構のモデル化を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、9月の手術・入院のために国際学会への参加を中止した。また、分子生物学会での発表も申し込んだが、退院後の療養中のため、分子生物学会での発表も取りやめた。そのため、旅費の支出が少なくなった。 国際学会での発表を行い、旅費を多く使用する。
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Research Products
(1 results)