2018 Fiscal Year Annual Research Report
computational role of neural synchronization
Project/Area Number |
16K00409
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 裕 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (80507236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 重俊 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (60231495)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分節化 / 同期振動 / カオス / 同期発火 |
Outline of Annual Research Achievements |
カオス的ダイナミクスを内在する神経回路系の中でガンマ波を典型例とする振動的ダイナミクスを利用して多重情報伝播を行うモデルを研究した.一例として,制御機能としては「不良設定問題」とみなされるような課題を遂行する機能ロボットを取り上げた.そして「カオスを内在する神経回路網」を用いて不良設定問題求解を伴う機能を実現する計算機実験を行った.結果として,脳神経系の大きな冗長度を基にしたカオスが「機能的ロバストさ維持及び創発的自律機能発現」に大きな役割を果たしていることを示し,研究成果として論文に発表した.また,素子を多数拡散結合させ,GABA神経群と呼ばれる脳内神経の一群に類似した発火パターンダイナミクス(脳内カオス的動作)の計算機実験を行った.それにより離点間同期通信という脳的機能の一部を実現し,情報処理機構解明研究への寄与とした.その成果を国際会議で発表,および論文として出版した. レザバーコンピューティングを利用した情報分節化の研究として,レザバーが非定常な時系列を識別する能力を持つか検証する研究を行った.レザバーに非定常性を持つ時系列を入力し,時系列を一定長ごとに分割した各区間ごとに予測器を構成し,他の区間を予測する.この相互予測誤差を区間間の非類似度として扱い,長い時系列を類似した区間ごとにクラスター化することに成功した.この成果は論文に発表した. 搬送波を利用して神経モデルにカオス的ダイナミクスを生成し,カオス的な同期発火を用いることで情報を多重に伝搬するためのモデルを構築し,数値実験を行った.素子ごとに入力される搬送波の位相を調節する機構をモデルに導入することで同期集団の構成を変更し,情報の多重伝播と同時デコーディングが可能であることを示した.この成果は論文に出版した.
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