2016 Fiscal Year Research-status Report
2010年代における外国人留学生のメディア利用と異文化適応についての研究
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16K00459
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 隆志 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60264967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 幹夫 新潟大学, 教育・学生支援機構 グローバル教育センター, 准教授 (30293244)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 異文化適応 / メディア / SNS / 留学生教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、外国人留学生のメディア利用の実態と彼(女)らの異文化適応についての相関を明らかにする事である。アンケート調査を用いて、留学生の文化社会的な実態を明らかにしつつ、メディア利用に起因する問題の所在を解き明かすことが肝要なプロセスとなる。 その準備的な段階として、勤務校(新潟大学)に所属する中国人留学生を中心に、予備アンケートを行った結果、彼(女)らのパーソナルなメディア利用やニュース視聴の傾向と異文化適応との間に相関が見られた。さらに、若干名へインタビューを行った結果、パーソナルなメディア利用とニュース視聴の間にも、相応の関連があることが示唆された。このことは、留学生がメディア利用のあり方によって、異文化適応の度合いに較差を生じさせ、さらにその較差を拡大してゆく傾向にあることを推察させるものである。 これらの結果は、2016年8月26日(金)~27日(土)に開催された留学生教育学会の第21回全国大会において報告(「2010年代の留学先におけるソーシャルメディアよ生活へ影響と異文化適応相関分析」)し、反響を得る結果となった。また、現在、The 2017 Social Media & Society Conference(July 28-30, Toronto, Canada)において、本研究の発表申請("Social Media Usage and International Students’ Cross-cultural Adaptation")を投稿した結果、無事採択されており、その発表の準備に向けて、調査結果の考察を進展させている途上にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年春より、異文化適応に関する先行研究の検討を行いつつ、外国人留学生に対するアンケート調査の文言の作成を開始した。文言の翻訳においては、ダブルチェックを繰り返しつつ、文言の平易さと汎用性を目指して、予備調査を繰り返し、メディア利用に関する設問案を作成した。異文化適応に関する指標として、Berry&Kim(1988)のacculturation理論を応用したLi et al.(2013)の34個の設問を活用し、また、Ward &Kennedy (1999)のSocio-cultural adaptationの40個の設問を活用して、外国人留学生の日本文化への適応の度合いを測ることにした。 これらを用いて、新潟大学に所属する120人以上の中国人留学生にアンケート調査の参加を依頼し、その中の107名から回答を得ることが出来た。 被験者からのアンケートの文言に対する反応は、概ね良好であり、今後は被験者の範囲を拡大し、他大学の留学生への参加協力依頼を進めていくことは可能であると推測される。 得られている調査結果は、概ね予想に近いものが得られているものの、ネット、メディアを取り巻く環境やサービスの変化は著しく早いため、時代の状況に合わせた文言の修整を適宜行う必要があり、依然、緊張感を持って取り組んでいく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
先述のように、勤務校における予備調査の実施経過と得られた結果の両方が良好な状態であるため、今後は、他大学の留学生センターに協力を募り、他大学の留学生にも協力を依頼することで、被験者数の大きな調査として、より説得力のあるデータ作成に注力する予定である。 既に、埼玉大学(留学生センターの中本教授)や九州大学(郭教授)などに協力依頼済みであり、アンケート結果の到着を待っている状態である。データが得られたならば、さらにそれらの大学の留学生の一部にインタビュー調査を依頼し、ネット利用やニュース視聴の傾向とその動機の聴取ができるかどうかの可能性を探りたいと考えている。 また、先般、abstactを投稿して受理されたThe 2017 Social Media & Society Conference(July 28-30, Toronto, Canada)での発表内容("Social Media Usage and International Students’ Cross-cultural Adaptation")の向上に力を注ぎ、そこで得られた議論を元に、研究の方向性の精度を上げていく必要があると考える。さらに、発表結果については、関連する国際学術雑誌(Cross-Cultural Communication and Intercultural Competenceなど)に投稿することを計画している。
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Causes of Carryover |
研究実績の欄でも述べたように、28年度は勤務校における予備調査に注力していたため、他大学への協力依頼には時間の遅れが生じている。また、他大学では、アンケートを実施可能な時期にそれぞれの制約があるため、他大学でのアンケート実施、及びそのデータ起こしと分析を29年度に行うことにしたため、それらの作業に必要な経費を29年度に移行する必要が生じたことが、予定額と使用額の間にズレができた主な理由である。 また、29年度の7月にThe 2017 Social Media & Society Conferenceというメディア利用と文化比較についての有力な国際会議が開かれ、そのエントリーに成功したため、本研究の更なる進展を期するためにも、その旅費の捻出する必要性が発生したことも原因となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
理由の欄にもあるように、他大学からリターンしてくるアンケート結果の分析を行うため、謝金など、相応の経費が必要になる。また、引き続き、別の大学の留学生センターなどで、アンケートの協力を引き受けてくれるところを探すため、通信費や国内旅費などを活用することを想定している。インタビューの協力者が現れれば、そのための国内旅費も支出することになる。 また、7月に開催される国際学会The 2017 Social Media & Society Conferenceでの発表に万全を期するため、これまでの分析結果の再考察を行うと共に、発表後には、国際雑誌への投稿論文を作成して、英文校正などにも必要な経費を支出する計画である。
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Research Products
(1 results)