2017 Fiscal Year Research-status Report
遠隔学習支援のためのクラスROIを用いた事中評価に関する研究
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16K00474
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
福間 慎治 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (50313565)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遠隔学習 / 視点情報収集 / 学習評価 / PLS回帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,遠隔学習を支援するために,学習者の視点情報を集計したクラスRegion-Of-Interest(クラスROI)を提案し,遠隔学習の事中評価を研究する.従来の遠隔学習評価の多くはテストやアンケートによる事後評価である.これに対し,クラスROIは学習者の視点位置に基づく評価基準であり,学習実施中に学習者の評価を目指すものである.クラスROIはオンライン収集した学習者視点の重み付き和として定義し,学習者母集団の推定視点情報とする.新たな学習者の視点を得るとき,クラスROIを用いて母集団における視点確率を推定する.もし視点確率が学習者のコンテンツ理解度や学習意欲と関係しているならば,学習時刻や学習場所に依存することなく学習者を事中評価できる.本課題で研究する事中評価は学習者の分析だけではなく,より効果的な遠隔学習を実施するためのコンテンツの進行制御,学習コンテンツのポインタ自動生成などに応用が期待される. 平成29年度は,①カメラを用いた簡易的な視点計測システムの開発,②複数の学習者に対する時分割同期式クラスROI測定システムの開発を行った.①について,精密な視点計測が可能なアイトラッカは高価であり,一般的な学習者が利用することはできない.そこで,モバイル端末に内蔵されたカメラで学習者の顔画像を取得し,PLS回帰を用いた機械学習に基づく視点計測法を検討した.提案法は,アイトラッカの精度には劣るものの,精度10%程度で視点を計測できることを確認した.②について,複数の学習者からクラスROIを精密に測る仕組みとして,高価なアイトラッカ1台を用いて,遠隔学習教材に同期して視点情報を蓄積するアプリケーションを開発した.これにより,異なる時間・異なる位置で遠隔学習を受講しても,同じ学習コンテンツに対する精密な視点情報が計測可能となり,クラスROIの有効性検証に大きく貢献する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり,モバイル端末内蔵カメラによる学習者の視点簡易計測システムの開発,および複数の学習者に対するクラスROIの測定を行うための時分割同期計測システムを開発した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり,平成30年度は複数の学習者に対し模擬遠隔学習を行い,クラスROIと学習理解度の関係を調査する.
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