2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00485
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高橋 健一 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (10126922)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | eラーニング / 集中度 / Kinect |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、eラーニングシステムを使用して学習する学生が画面に向かっているときに集中していると仮定して、画面を見ているかどうかの検出をKinectにより行い、集中していないと判断した場合、画面メッセージと音で警告する。また、学習中における学習者の行動(本を読む、ノートをとる、手を上げる、スマホを使う、眠るなど)を検出して分類し、学習中の状況を確かめようとしている。平成29年度では、eラーニングシステムにおいて学生の集中度を検出する方法の実装と学習実験により効果を確かめた。また、学習中における学習者の行動を分類する実験において学習事例を変更して精度の向上を検討した。 これまではwebカメラ画像からの入力画像から、顔の目、鼻、口、耳を検出し、体の動きの有無、マウスの停止時間によりeラーニング中における学習者の集中度を判断していた。平成28年度ではKinectによる実験を行い、学生の集中度の維持および学習結果に効果があることを示した。平成29年度では、この結果を国際会議にて発表した。さらにKinectによる集中度の検出方法のパラメータを見直し、集中していないにもかかわらずそれを見逃している場面を少なくする方式を検討した。学習実験を行い、アンケートによりその効果を確かめた。平成30年度中に、国際会議に投稿し、発表する予定でいる。 また、平成28年度にKinectにより学習者の行動を分類する方法を開発した。学習者の行動としては、本を読む、ノートをとる、手を上げる、スマホを使う、眠るなど学習中にとりうる数種類として、分類のための基礎実験を試みた。その結果、手を上げるやノートをとるなどは分類精度が高いが、スマホを使うは分類が困難な状況があることがわかった。平成29年度では、その識別手法を改良したが、スマホに関しては精度の向上ができなかった。この成果は、研究会において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度では、Kinectによるeラーニング中における学習者の集中度を判断する実験結果を、国際会議にて発表した。また、Kinectによる集中度の検出方法のパラメータを見直し、集中していないにもかかわらずそれを見逃している場面を少なくする方式を検討した。学習実験を行い、アンケートによりその効果を確かめた。国際会議にて発表する予定でいる。 さらに、Kinectにより学習者の行動を分類する方法の改良を試みた。ここでは学習者の行動としては、本を読む、ノートをとる、手を上げる、スマホを使う、眠るなど学習中にとりうる数種類を取り上げ、分類を試みた。平成29年度では学習事例を変更するなど分類手法の精度向上を試みたが、スマホに関する精度は向上できなかった。引き続き、分類手法の改良を試みる。しかしながら、Kinectによる顔画像検出と行動分析結果を統合については、行動分析に時間がかかるため難しく、引き続き検討を要する。 これらのことより、当初計画の通りに研究が進行しており、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度でも引き続き、学習中におけるKinect による学習者の行動を分類する方法の開発を継続して行う。ここでは、Kinectによるジェスチャーの認識に加え、GoogleやMicrosoftの提供する画像認識機能を利用し、学習者の取り得る行動の分類精度の向上を図る。また、Kinectによる顔画像検出と行動分析結果を統合した学習者の集中度について検討する。これにより辞書を引いていたり、メモをとったりしている場合は、顔が検出されなくても学習を継続中であることが判断できるようになり、検出精度が向上できると考えられる。 さらに、学習のあい間の休憩時間中の過ごし方として、ゲームをする、読書する、音楽を聴く、何もしない、の過ごし方を取り上げる。ゲームについては、育成ゲームのような体の動きが少ないゲームと、シューティングゲームのように動きの激しいゲームを検討する。また、近年対話型のかわいい小型ロボットが注目を浴びている。そこで、休憩時間において、このようなロボットとのインタラクティブな活動が学習に与える影響を追加して、これらの過ごし方が学習効果に与える影響について実験を行う。
|
Causes of Carryover |
理由:平成28年度の海外旅費を使用しなかったことと実験に使う予定であったコンピュータを一部校費にて購入したコンピュータを使用したため。 使用計画:休憩時間中に使用するロボット購入費用および海外で開催される国際会議において研究成果を発表するために使用する予定である。
|