2017 Fiscal Year Research-status Report
ウェアラブル端末を用いた大学生の学習意欲喚起のための研究
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16K00495
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
上田 敏樹 大谷大学, 文学部, 准教授 (40736568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 佳和 大谷大学, 文学部, 研究員 (20516687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | IoT / wearable e-health device / LMS / digital campus / tablet / e-education |
Outline of Annual Research Achievements |
大学キャンパスにおけるICT環境においてウェアラブル端末を多くの学生が教室内で装着することを想定し, ウェアラブル端末やスマートフォンから得られた学生のバイタルデータ(心拍数, 消費カロリー, 睡眠データ, 視線の移動, 頭の動きなど)やライフログ(移動距離, ルートなどの行動履歴)を利用して学生をより望ましい学習状態へ遷移させ学生の学習意欲喚起に役立てるための研究の2年目である. 2年目においては, 1年目の成果についてITUが世界各地で毎年開催するKaleidoscope2017(中国、南京市)にて発表した内容が. 第2位の優秀論文賞を受賞した. また, 国内外で本研究に係る4回(電気学会の教育フロンティア研究会, 大谷大学人文情報学科研究会, IEEE TENCON2017で2件)の論文の発表を行った. 2年目の研究の進捗については, リストバンド型ウェアラブル端末Fitbitにより得られた睡眠の質(浅い睡眠, 深い睡眠, レム睡眠の3種類の睡眠の時間)と眼鏡型ウェアラブル端末であるJINS MEMEにより得られた集中度(100点満点による数値)の測定を学生の協力を得て実施しデータを1ヶ月間収集した. 睡眠については, 睡眠時間のみならず就寝時刻や起床時刻とも集中力が関係している可能性を把握した. また, 取得したデータの可視化により, 学生が自分自身の生活を直視し, より良い生活習慣へと改善する態度が観察された. ただし, 睡眠など私生活における測定については制約が多いため, これまで1名の学生のみのデータの収集である. より多くのデータを効率よく収集するための方策を見出すことが課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fitbitにより測定できる睡眠の質(浅い睡眠, 深い睡眠, レム睡眠の3種類の睡眠の時間)とJINS MEMEにより測定できる集中度の関連付けの方法を見出すことができた. 集中度は睡眠と関係している場合があることが確認できた. さらに, 集中する対象に対する元々の関心度とも関連する可能性について推測することができたので, 今後はこの仮説について検証を進める. しかしながら, 現状ではデータを取得できる被験者数が限られている. データの数が不足しており, これを増やす必要がある. 被験者の数を1人でも多く確保し, またデータ取得を短時間で実行できる方策を見出し, 早急に実行に移さなくてはならない. なお, Fitbitについては使用状況により1年以上経過すると破損等の不具合により利用が難しくなり, 新たな調達が必要であることも分かった.
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Strategy for Future Research Activity |
1名の学生のみに対して行なったFitbitとJINS MEMEによる測定を複数の学生に対して実施する. しかしながら, データ取得に要する負荷のため, 短時間に効率良く実施できる方策をまず見出し実行する. また, 学生の授業中の集中度については, 前日の睡眠の質(浅い睡眠, 深い睡眠, レム睡眠の3種類の睡眠の時間, 就寝時刻, 起床時刻, 睡眠時間)のみならず, 集中の対象となる授業, 内容に対する本人の元々の関心度および教員の訴求力との関係があるとする仮説を立てて, 検証を進めることとする. データ取得の実行面における課題(被験者数の増加, 短時間での効率の良いデータ取得方法)を早急に解決すべく検討を進めている状況である. さらに, Moodle上での学生の動き(スライドの閲覧, Quizの回答等)によるデータ取得との関連について研究を進める. これらを着実に実行することにより研究最終年度の成果も加え, 3年間の研究成果として発表する.
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Causes of Carryover |
(理由)ITU Kaleidoscope2017での論文発表のための海外出張先が中国の南京であったため, 旅費が予定よりも少額となった. (使用計画)特に大きな差額ではなく, 基本的な計画には変更はない. 海外での論文発表(例えばTENCON2018)に伴う出張費用に使用する.
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