2018 Fiscal Year Research-status Report
多様化する学生の特性に応じた個への対応を重視した反転授業を展開するための指針開発
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16K00497
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
山下 泰生 関西国際大学, 基盤教育機構, 教授 (80230431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 那森 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (50249512)
佐藤 広志 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (50253125)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 反転授業 / 教材コンテンツ開発 / スマートデバイス / 著作権 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度(2018年度3年目)の実績について、本研究プロジェクト計画の大きな流れに沿ってその概要を報告する。 反転授業で利用するコンテンツ開発環境に関しては、本研究プロジェクト1年目(平成28年度)を中心にその整理が行われ、その後の反転授業の試行から実践にかけてもその結果を適応し、そこで得た知見を学会等で発表してきた。本研究プロジェクトでの「できるだけ簡易な環境でのコンテンツ開発環境」という基本的な方針から、ノートPCに収録用ソフトを導入し、場所を選ばない環境でのコンテンツ開発を実践してきた。また、反転授業の実践自身についてもPCリテラシーの演習系授業、講義系授業等で実践を重ねてきた。その結果から反転授業の効果が確認できた面もあったものの、あくあでも教育手法の一つであり、コンテンツ開発のみでなく場面設定もも含めた適応検討が必要であることが明確となった。コンテンツ開発に関しては比較的容易にできる環境の提案ができたものの、やはり、授業担当者によってはハードルが高い状況もある。そのために、作成した教材コンテンツの共有を検討したが、著作権法の改定もあり、作成したコンテンツの著作権処理の対応に関して整理する必要性があるのではないかということとなった。また、ICT環境の進展により、ハード面だけなく、コンテンツ作成のソフト面でも新たなソフトも出てきている。それまでの成果を反映させながら実践を進めてきたが、新たな環境への対応も含め反転授業を広めていくことも併せて検討してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
反転授業で使用するコンテンツ開発環境の整理はまとめることが出来き、講義系授業と実習系授業という類型での側面から実践を進めてきた。そこで整理された課題として、対面授業の展開に対する提案は検討されたものの、同じ講義系の授業であっても、基礎教養の修得・発展的考察を目的とした科目と知識獲得・定着を目的とした科目では、その実践結果は異なる傾向にあったことが確認でき、対面授業での授業展開に関する提案の実践については部分的な実施となっている。反転授業の今後の展開に関する課題も含め、関係する他の研究プロジェクト(「LTDおよび反転授業に着目したクリティカル・リーディング力育成プログラムの開発」代表者:関西国際大学 上村和美)との合同研究会を開催し、それぞれの研究プロジェクトメンバーの発表を通しての意見交換を行った。 さらに、反転授業を広めていくために教材コンテンツの共有を進めてることも検討していたが、コンテンツ共有もさることながら、平成31年度1月の著作権法改訂で非同期のオンライン上での視聴に関する著作権上の問題を整理する必要が生じてきた。また、本研究プロジェクトの成果公表に関して学会発表のみでなく、ホームページでの公表をするための準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年(2019年度)が最終年度となり、これまでの実践結果および事例調査を踏まえ、最終的に研究成果報告書としてまとめてていく。さらに、最終成果だけでなく、これまでの成果も含め、Web上で広く公開をしていく。 また、非同期で公開する教材コンテンツの扱いについて、著作権法改訂に伴う権利処理についても整理していく必要があり、反転授業の方式がそぐわない授業があることも考えておく必要もある。なにより受講生の個への対応を確実なものにしていくためには、対面授業をファシリテートしていく教員の(反転授業対応の)授業運営スキルに関する検討の重要性が非常に高く、そのスキルがない状態で反転授業を展開すると逆効果となる場合もある。その点はアクティブラーニング分野の一つの要素となるが、反転授業という点からのスキルも求められる。(例えば、事前コンテンツを見てない授業生や事前コンテンツの内容が修得済の受講生の存在など)それらの点も今後、明確にしていく予定である。
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Causes of Carryover |
他研究プロジェクトとの合同研究会が、午後の部のみ合同での参加となった関係で会場費等は発生しておらず、開催場所が近郊であったこともあり、交通費も含めほとんど経費がかからなかった。 海外(中国)の研究会での発表にエントリーをしていたが、主催者側の都合により延期となり、国内学会での発表のみとなった。そのため、当初計画していた海外への交通費が未消化となった。
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Research Products
(2 results)