2016 Fiscal Year Research-status Report
類似文検索を用いた日本語教育用コンテンツ開発環境の整備
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16K00500
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
堤 豊 熊本学園大学, 商学部, 教授 (80227446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 類似文検索 / 日本語教育 / 協調学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語教育用のコンテンツ作成のために、必要な例文検索機能を、特別なソフトウェアを導入することなく、教員・学生が普段利用しているMS-Word上に構築することが目的である。 平成28年度は、その要素技術として(1)Word中の日本語文章に対して形態素解析し、内部的にDBとして記憶し、(2)各文および単語にタグ付けし、ノートや辞書引き、蛍光ペンのマークなどの結果を保存できるようにすること、および(3)VSTOアドインソフトにより学生間でのグループワークを可能にする技術を開発する予定であった。熊本地震のため、約2ヶ月研究ができなかったこと、大学の夏期休業期間が大幅に短縮されたこと、など研究環境の変化により当初計画のうち(1)と(2)の前半部までを完成させることができた。現在は、対象となるテキスト文として著作権の切れた青空文庫のうち、現代文に近いものを対象としている。 また、上記の途中経過および今後の計画を、過去の筆者らの研究成果である英語の語学学習に関する成果とともに「MS Word Integrated Development Environment for Creating Japanese Language Learning Materials」として、AETEC2016(査読あり)で発表した。質疑応答の中で、日本語は読むのが非常に難しいので、漢字の読みを示すとともに、発音させることを考えてはどうか、とカナダの研究者から提案を受けた。本件に関しては、実装も比較的簡単にできそうなので、今後の検討項目とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年4月14日、16日に発生した熊本地震において、主たる研究場所である熊本学園大学も大規模に被災し、研究室が利用できない状況となった。また、当時は図書館長を拝命しており、被災した図書館の復旧に時間を取られた。さらに授業時間数を確保するため夏休みが大幅に短縮され、まとまった研究時間を確保することができなかった。 研究の内容や方向性として行き詰まっていることはないので、残りの期間でできるだけリカバーするように努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に実装すべきであったVSTOによる、グループワークの機能を実現し、プロトタイプシステムの完成を目指したい。また、サーバー側プログラムの開発とテキスト解析ツールの統合も課題となる。またこれらの成果を学会発表し、問題点等の指摘を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
海外発表における旅費が当初予定したよりも安く済んだためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
類似検索においてサーバーの処理能力の大きさがスピードに大きく影響することがわかって来たので、前年度から繰り越した分をサーバー増強費として利用することを考えている。また、学生用のパソコンについても処理能力が大きいタブレットタイプの購入を予定している。
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Research Products
(1 results)