2018 Fiscal Year Research-status Report
家庭における日々の家事/活動をゲーミフィケーション化する研究
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16K00506
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
市村 哲 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (30350507)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | ゲーミフィケーション / スマートフォン / 家事 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
家庭における日々の家事や行動にゲーミフィケーション要素を追加することで,少しでも楽しく家事や行動が行えるようにし,かつ,継続するためのモチベーションを向上させることが本研究の目的である.ゲーミフィケーションは,遊びや競争など, 人を楽しませて熱中させるゲーム要素や考え方を, ゲーム以外の分野で応用していこうという取り組みである.平成28年度および平成29年度においては幼児対象歯みがき支援に取り組み,平成30年度においては,幼児を対象とした食育支援を追加して取り組んだ.歯磨き支援の成果は情報処理学会が主催するDICOMO 2018において発表した他,国際会議CollabTech'18に採択されて発表した.
平成30年度から開始した幼児を対象とした食育支援については,子供が好き嫌いをしないように完食のサポートをするということと親子間のコミュニケーションを支援することを目的として実施した.スマートフォンに搭載されている加速度センサーを用いて,幼児が何をどのように食べているかを推測する機能を備えている.具体的には幼児の食事プレートの底にスマートフォンを置き,スマートフォンに内蔵されている加速度センサーがプレートの傾きを検知することで検出するようになっている.食べている料理に応じて異なる動物の鳴き声が出るようにした.これによって,最後まで飽きずに食事ができる且つ「楽しく」食事をすることができ,それをきっかけに親子間のコミュニケーションが増える手助けをすることを目指している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼児期の生活習慣の確立が難しいことが問題視されており,平成28年度~平成30年度の研究実施計画においては,幼児や子供に歯磨きの習慣をつけさせる試みを実践し,歯磨きを行っている幼児や子供のモチベーションがより向上するようなゲーミフィケーションを考案,開発,その効果を評価することを目標と定めていた.この目標に対し,スマートフォンのwebアプリケーションとPCのPythonプログラムとを連携させてシステムを開発した.評価実験の結果, 「回数が増えるのが面白く 磨いている実感が湧く」,「子どもが歯全体をちゃんと磨いているかどうかわかる」,「磨き残し箇所がわかるのが良い」等の評価を得ることができた.
上記のとおり,目標としていた歯ブラシ動作検出性能の向上を実現することができ,評価の結果良好な効果が得られた.また歯磨き支援の成果は情報処理学会が主催するDICOMO 2018において発表した他,国際会議CollabTech'18に採択されて発表した.
しかしながら,平成30年度において開始した幼児を対象とした食育支援については,食している料理を検出する精度の面で課題を抱えており,食育支援については研究の精密性を向上させるために平成31年度に継続して研究する必要が生じた.このため,補助事業期間の延長を申請し受理された.よって,現状ではやや計画に対して遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は,平成30年度に着手した食育支援についての研究を継続し,これまでに開発したシステムの実用性を向上させるとともに,幅広い環境に対応できるように性能を向上させることを目的とする.現状では幼児が何をどのように食べているかをスマートフォンに搭載されている加速度センサーを用いて推測する精度に問題があり多くのケースで誤認識が発生している.そこで平成31年度は,幼児対象歯みがき支援の場合と同様に機械学習の技術を取り入れるようにすることで,認識精度の向上を目指す.
具体的には,スマートフォン内に搭載されている加速度センサーが出力するX軸・Y軸・Z軸の加速度を学習し,複雑な値の変化を参考にして幼児が何をどのように食しているかを特定する.
さらに,スプーンやフォークの使い方は人によって個人差があるため,実際に使用するユーザや使用環境に併せて再学習を行う必要があると思われる.現状のシステムに再学習を柔軟に行える機能やユーザインタフェースの追加を行うことを計画している.
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Causes of Carryover |
(理由) 平成30年度は,幼児を対象とした食育支援に取り組んだ.この食育支援については研究の精密性を向上させるために平成31年度に継続して研究する必要が生じた. (使用計画) 食育支援についての実験経費に充当する他,必要機材の購入および発表経費に充当する計画である.
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Research Products
(2 results)