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2017 Fiscal Year Research-status Report

光ー光合成曲線と樹冠コンダクタンス指標を導入した総生産量推定アルゴリズムの開発

Research Project

Project/Area Number 16K00514
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

村松 加奈子  奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (20252827)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords総生産量 / 総生産キャパシティー / 光合成 / クロロフィル / 植生指標 / 地表面温度
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度は課題1)~課題4)にとりくんだ。
課題1) 総生産キャパシティー推定式に関しては,ヨーロッパのフラックスサイト,オーストラリアのフラックスサイト,アマゾンのサイト(常緑樹)に関して解析を進めた。ヨーロッパのフラックスサイトのデータを用いた解析結果は,現在論文作成中である。
課題2)  フラックスで観測された総生産量と本アルゴリズムで定義される総生産キャパシティーがどの程度異なるかについて, 植生タイプ毎に調べた。これは気孔開閉による光合成の抑制量であり,課題3)での推定量と対応する。アマゾンの常緑樹では,年間平均値で,総生産量は総生産キャパシティの91%,針葉樹林では,カラマツ林で95%, アカマツ林で99%であった。昨年度,ストレスが比較的低いと考えられる灌漑されている水田では91%であったが,この結果とほぼ同様に,ストレスが比較的低い場合は,第一近似で総生産キャパシティーが総生産量とみなせることが明らかとなった。
課題3) 樹冠コンダクタンスの日変化を衛星観測時間である11時で規格化したものを樹冠コンダクタンス係数と名付け, 樹冠コンダクタンス係数の時間に対する傾きが,樹冠コンダクタンス指標の一候補と考えた。MODISの午前(11時),午後(13時)観測の地表面温度データより,時間に対する樹冠コンダクタンス係数の傾きを求めた。乾燥地で高ストレス時の疎な灌木において,樹冠コンダクタンス指標の本候補について実際にデータに適用した。その結果,11時から13時でのGPPの日中低下の傾きの傾向は計算できた。しかしながら,日中低下が衛星観測時の11時より早い時間で起こっている場合には,日中低下の推定量は過小評価であった。
課題4)  課題1), 課題2)の結果より,本研究で必要な植生タイプのグループ分けについての考察を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

解析はおおむね順調に進んでいる。 解析結果の論文作成時に,データの再解析が必要になったため,論文の投稿は30年度となる。

Strategy for Future Research Activity

課題1) 総生産キャパシティー推定式に関しては,引き続き植生タイプやフラックスのサイト数を増やして解析を行い,全球適用への準備を行う。総生産キャパシティー推定方法に関するヨーロッパのフラックスサイトを用いて行った結果について,現在執筆中の論文を完成させ投稿する。
課題2) 総生産キャパシティーから総生産量への低下量に関して,引き続き,課題1)とともに, 植生タイプやフラックスのサイト数を増やして解析を行い,総生産キャパシティーで総生産量のどの程度が推定できるのかを明らかにする。
課題3) 樹冠コンダクタンスの日変化を衛星観測時間である11時で規格化したものを樹冠コンダクタンス係数と名付け, 樹冠コンダクタンス係数の時間に対する傾きが,樹冠コンダクタンス指標の一候補と考えている。昨年度に引き続き,フラックスデータ,衛星データを用いて総生産キャパシティーからの低下量を推定する。うまく適用できる場合と,うまくいかない場合について,その条件を明らかにする。また,過小評価する場合はどの程度過小評価するのかについて明らかにし,総生産量推定を行った場合の誤差について詳細に検討する。
課題4) 課題1)課題2)の結果より,本研究で必要な植生タイプのグループ分けについての考察を進め,土地被覆分類データを再分類し,本解析用のデータを作成する。
課題5) 衛星データを用いて,総生産キャパシティー,総生産量の推定を行い,問題点などがあれば明らかにする。

Causes of Carryover

海外からの研究者を招聘予定であったが,29年度は招聘予定の方との日程調整がうまくできなかった。30年度の10月に招聘する方向で招聘準備を進めている。また,29年度に国際会議に参加予定であったが,学内の仕事の日程と重なり参加できなかった。30年度は国際会議で発表を行う予定であり,国際会議への出張旅費および参加費として使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Determination of rice paddy parameters in the global gross primary production capacity estimation algorithm using 6 years of JP-MSE flux observation data2017

    • Author(s)
      Kanako MURAMATSU, Keisuke ONO, Noriko SOYAMA, Juthasinee THANYAPRANEEDKUL, Akira MIYATA, Masayoshi MANO
    • Journal Title

      Journal of Agricultural Meteorology

      Volume: 73 (3) Pages: 119-132

    • DOI

      D-16-00017

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 総生産量推定のための樹冠コンダクタンス指標2017

    • Author(s)
      村松加奈子
    • Organizer
      日本リモートセンシング学会
  • [Presentation] リモートセンシングによるナラ枯れのモニタリング-12017

    • Author(s)
      村松加奈子
    • Organizer
      日本リモートセンシング学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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