2016 Fiscal Year Research-status Report
相互補完型マルチハイスループット技術による次世代放射線影響研究
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16K00547
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河合 秀彦 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30379846)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 持続放射線照射 / ハイスループットスクリーニング / 細胞応答 / 細胞運命 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のI.~III.の研究実施計画を遂行した。 I. ハイスループット技術によるγ線照射下の細胞の生物学的指標のデータベース構築 0、0.007、0.069、0.347、0.694 mGy/minのγ線持続照射環境で培養したヒト線維芽細胞の次世代シーケンサRNA-Seqデータについて、新たな解析手法を確立し、各々の遺伝子の発現量解析を統合的に行った。その結果、0.347 mGy/minまでは段階的に、0.694 mGy/minで著しく減少する遺伝子群が抽出された。それらの遺伝子群を分類し、線量率と時間依存的な発現量変化をデータ化した。また、ハイスループットの分子イメージング解析によって細胞の分子応答・形態変化についてデータ化を行った。 II. siRNAライブラリによる細胞運命決定責任遺伝子の網羅的逆遺伝学スクリーニング I.のデータに基づいて、持続照射環境での細胞応答性を定量化し、網羅的逆遺伝学スクリーニング法を確立した。確立したスクリーニング法によって、0.347、0.694 mGy/minの持続照射での細胞応答が変化する遺伝子を多数見出した。0.694 mGy/minの照射環境下で現れる主な細胞応答の責任遺伝子候補を1次スクリーニングで複数同定した。 III. 細胞運命決定の責任遺伝子候補の機能解析 0.694 mGy/minの照射環境下の細胞応答に必要な遺伝子群について2次スクリーニングを行い、責任遺伝子の候補群を決定した。また次年度に向け、それらの遺伝子群およびそれらによって構成される複合体の機能解析の実験準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持続照射環境での細胞応答データ収集と細胞応答の責任遺伝子の同定はおおむね順調に進展している。責任遺伝子の同定について1次スクリーニングのデータ収集は順調であるいが、データ解析には更に時間を費やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は持続照射環境での細胞応答データ収集を引き続き行い、細胞応答責任遺伝子の2次スクリーニングで得られた結果を再検証し、それらの遺伝子の機能解析を行う。また、それらの遺伝子の機能抑制細胞について、データ収集と解析を行う。
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Causes of Carryover |
1次スクリーニングの解析が予定より若干遅れているため、試薬の購入が遅れており、次年度に繰り越す必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に引き続きスクリーニング解析を行い、計画通りに執行する。
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Research Products
(25 results)