2016 Fiscal Year Research-status Report
環境汚染物質の発達神経毒性評価に関する新たな非侵襲的アプローチ
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16K00577
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
Tin・Tin Win・Shwe 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (00391128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 英宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 室長 (60370269)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症モデル / 神経毒性 / ラット / 発達期曝露 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、発達障害と呼ばれる自閉症スペクトラム障害(ASD)およびアルツハイマー病などの罹患率が上昇しているが、原因はまだ不明である。このような原因は遺伝的要因のみではないため、環境中に存在する化学物質が発症に影響を与えていると考えられる。大気中のエアロゾルに含まれるガス状成分が酸化し、二次有機エアロゾル(SOA)が生成される。28年度は、自閉症モデルラット(Fmr1KO)および発達期に化学物質であるバルプロ(VPA)ラットの社会行動、遺伝子発現、及び非侵襲的な画像化方法(MRI)で脳の変化を評価した。 その結果、Fmr1KOとVPA誘導自閉症モデルラットでは社会行動の低下が雌雄で認められた。さらにVPA誘導自閉症モデル雄ラットの海馬における社会行動関連遺伝子(セロトニン、BDNF、ニューロリジン等)のmRNA発現減少が見られた。免疫染色の手法でミクログリアマーカーであるIba1の発現を調べたところVPA誘導自閉症モデル雄ラットの海馬でIba1の発現増加が認められた。Fmr1KOとVPA誘導自閉症モデルラットの脳の変化を画像化方法(MRI)で評価する計画は準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は、Fmr1KOとVPA誘導自閉症モデルラットでは社会行動とそれに関連する遺伝子発現のの低下が明らかになり、VPA誘導自閉症モデル雄ラットの海馬におけるミクログリアの活性化も認められた。これは当初の予定通りで順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度はディーゼル排ガス由来二次生成有機エアロゾル(SOA)曝露されたラットの社会行動、遺伝子発現、及び非侵襲的な画像化方法(MRI)で脳の変化を評価する。
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