2018 Fiscal Year Research-status Report
海洋放出された放射性核種の海底堆積過程及び局所的な高濃度状態の形成過程の解明
Project/Area Number |
16K00580
|
Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
浅見 光史 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 上席研究員 (80446591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀行 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 系長 (80399518)
|
Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
|
Keywords | 放射性核種海洋移行モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発した狭域海流場の予測手法を用いて、海洋放出された放射性物質の移行について、海域モニタリングで明らかになった海底堆積物内部の鉛直方向濃度分布の形成、局所的に高濃度状態になる場所、の両方を再現可能な放射性物質の移行モデルを構築した。放射性物質の移流拡散計算及び放射性物質を吸着した懸濁物質の沈降計算、海底に沈降した放射性物質を含む懸濁物質が、海底流により再浮遊して移動する際の移動モデル、海底に沈降し積層して固定された懸濁物質が、海底堆積物中を鉛直方向に浸透する物質移行モデルを構築した。 導入した移行モデルは、海洋中に存在する粒子を、粒径の違いにより三相(溶存相:堆積しない小粒径、懸濁相:堆積し移動する中粒径、堆積相:海流で移動しない大粒径)に分類し、各相間の交換過程(吸脱着、懸濁粒子の沈降及び海底堆積物の再浮遊)を考慮するものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追加採択分として交付内定し、約7ヶ月間後倒しで開始された時間的制約により、研究全体が後倒しとなっていたところ、期間延長が認められたため、現状においては期日に対しておおむね順調に進展している状況となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度開発したモデルに、海底堆積物内部での放射性核種鉛直濃度分布モデルを改良し、堆積相へ適用する。放射性核種鉛直濃度分布モデルは、海底堆積物内部での放射性核種の鉛直濃度分布の形成過程を把握すべく、底堆積物内部での鉛直方向一次元放射性核種移行解析手法を改良して、濃度分布の形成過程をモデル化する。具体的には、海底堆積物の間隙水を通じて、放射性核種が鉛直下向きに拡散するモデルにして、放射性核種の供給源として、溶存相のみならず懸濁相からの寄与も考慮し、さらに溶存相-堆積相間だけでなく、三相全ての相互作用を考慮できるようにする。
|
Causes of Carryover |
科学研究費助成事業補助事業期間延長申請をし、それが受理されたため。期間の延長理由については下記のとおり: 本研究課題は、平成28年4月1日付け学振助―第2号において不採択とされ、約7ヶ月後の平成28年10月21日に追加採択分として交付内定されたものである。この約7ヶ月間後倒しで開始された時間的制約により、計画全体が後倒しになり、その結果、最終年度である2018年度に達成させるべき計画も同様に後倒しとなり、結果として計画が未達成となったものである。以上の理由から、本研究課題の期間延長を申請したい。
|
Research Products
(2 results)