2016 Fiscal Year Research-status Report
グリーンランド氷床と周辺海域における水文気候再解析データの創出
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16K00581
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 和良 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球表層物質循環研究分野, 主任技術研究員 (90344308)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気候変動 / 質量収支 / 海水準変動 / 氷床 / 表面質量収支 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)平成28年度は,結合データ同化システムの開発とグリーンランド氷床におけるデータ同化実験,ならびに氷床変動に関する研究打ち合わせを行った.成果発表については,中国での招待講演と国内研究集会での発表をした. (2)コロラド州立大学の共同研究者Milija Zupanski博士を2016年7月26日~8月6日の期間で招聘し,結合データ同化システム開発を共同で行った.特に衛星観測データの観測演算子についての研究を進展させ,結合システムの高度化につながった.それと同時に,大気陸面結合データ同化に関する共著論文の執筆を進め,滞在中に投稿するに至った.その論文はその後,2016年12月にAtmospheric Science Lettersに受理され,2017年3月号で「A case study involving single observation experiments performed over snowy Siberia using a coupled land-atmosphere modeling system」の題で出版されている. (3)国内での研究打ち合わせを2016年12月に,連携研究者の松尾氏を招聘して行った.その結果,来年度の国際雪氷学会が主催する国際シンポジウムで研究発表を行い,研究成果の一部を論文化する方向性が確認された. (4)グリーンランド氷床変動の把握にとって重要な陸水推定のリモートセンシング技術について,重力観測衛星や,その他の衛星による陸水諸量の推定に関して,Springer出版社からの図書の一章として執筆・寄稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の心臓部にあたる結合データ同化システムに関する論文が,1報受理・出版された事による.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ナンセン環境・リモートシングセンターのMernild所長と協力し,グリーンランド氷床上の気象データを入手し,結合データ同化システムの検証を行う. (2)米国ボルダー市で2017年8月14日~8月19日に開催される「INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON POLAR ICE, POLAR CLIMATE, POLAR CHANGE」で研究発表を2件行い,その内容を投稿論文としてまとめる. (3)コロラド州立大学の共同研究者Milija Zupanski博士を招聘し,さらに結合データ同化システムの高度化と実験について進めていく.
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Causes of Carryover |
日本の連携研究者1名と米国の研究協力者1名が,平成28年度は本務の都合上,招聘による出張が出来ず,平成29年度に招聘旅費を持ち越す必要があったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に開催される国際シンポジウムに連携研究者1名を派遣し,研究発表を行って頂くと共に,グリーンランド氷床変動に関する最新の知見を収集し,研究課題の成果を論文として発表していただく予定である.
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Research Products
(6 results)