2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of time-degradable plastics in marine environments, aiming to reduce marine drifting microplastics
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16K00608
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
粕谷 健一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60301751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 熊野 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60504024)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋生分解性 / 次元生分解性 / 生分解性プラスチック / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋中での時限分解生分解性高分子材料の創製:前年度までの研究結果、および今までの我々の知見から得られ た海洋環境中では生分解性が不活性な(PESu)を 基材として用いて、芽胞形成菌種を利用することにより、その表層の微生物叢を積極的に制御し、海洋環境中で の時限分解可能な材料を作成した。本材料は,インタクトな状態では安定であり,傷がついて初めて分解が始まる次元分解生分解性プラスチックである。 これとは別に,PESuにある種のバイオトリガー(有機化合物)を組み込むことにより,海洋生分解性の付与に成功した。これらのバイオトリガーは,海洋中で基材の高分子上に,特異的なバイオフィルムを形成させることを,次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析により明らかにした。これらの結果より,バイオトリガーは,ある種の微生物を高分子上に誘引する効果を有することを明らかにした。このバイオトリガーは,低分子化合物,中分子化合物,または高分子化合物いずれでも効果があり,さらに天然物系,化学合成系のいずれでも効果的な物質が存在することが示唆された。 一方,ポリ乳酸を基材とした場合は,海中において,ほとんどバイオフィルムは形成されなかった。また、非生分解性のポリエチレンやPET,なども定量的ポリメラーゼチェインリアクション法での解析から,ポリ乳酸と同程度の非常に低濃度のバイオフィルムの形成しか見られなかった。このことから,生分解性高分子やバイオトリガーには,微生物を集積する効果があることがわかった。
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