2017 Fiscal Year Research-status Report
ビスフェノールAが引き起こす神経細胞の形態変化を起点とした生体機能への影響評価
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16K00626
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
下家 浩二 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10351496)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 軸索 / 神経突起 / PC12 / 大脳皮質神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、伸長した突起がどの突起に分類され、それがどの様に変化するのかを解析した。その結果、BPA添加後48時間と72時間後に細胞を固定し、成熟神経細胞の樹状突起や軸索を免疫染色後にそれぞれの長さを測定した結果、神経突起全体では有意な伸長作用の増加が観察されたのに対し、軸索の伸長は抑制されていることが分かった)。これらの結果は、BPAが胎児期における神経細胞が有する軸索の形成過程が途中段階で止まってしまい、正しくシナプス結合を形成できなくなることが予測される。逆に、発生のかなり初期の段階では、段階の神経細胞に運命決定された後にも樹状突起の神経突起の伸長を促進し、正しくシナプス結合が形成されずに活動電位のコントロールが出来なくなることも予測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた免疫染色による神経細胞における発達(発生過程)への影響評価に関するデータを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
軸索の伸長を制御する遺伝子発現制御の分子機構を明らかにすることや、電気生理学的な実験により軸細の機能に関する評価もデータ化する。
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Causes of Carryover |
経時的に劣化する試薬を用いた実験を計画していた。しかし、他の実験の時期に合わせ、次年度に実施する事が適切であると総合判断したためその措置が必要となった。今年度は、加えて軸索の伸長を制御する遺伝子発現制御の分子機構を明らかにすることや、電気生理学的な実験を予定していることから特異的抗体や細胞培養に必要な試薬の購入に多くの予算を費やすことを計画している。
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