2017 Fiscal Year Research-status Report
過密な開発の影響が懸念される沿岸域に依存する水鳥類の行動空間の解明
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16K00643
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
竹内 亨 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 上席研究員 (30415872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 正樹 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 主任研究員 (30758660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鳥類保全 / 水鳥類 / 自然共生 / 沿岸域生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
沿岸域の水鳥類を遠隔から観測する可搬型の3次元カメラシステム、及び観測カメラを搭載したUAV(Unmanned Aerial Vehicle)システムによる観測を昨年度に続いて実施した。沿岸域および湖岸域(茨城県神栖市・大洗市、宮城県仙台市、静岡県富士市)において、水鳥を対象とした飛翔観測を実施した。越冬期に複数種(コハクチョウ、オオハクチョウ、マガモ、ウミネコ、カワウ等)の飛翔観測を行い、それぞれの種について、映像から得られた空間位置とカメラの幾何学的関係から、飛翔空間の特定を行った。種によって異なる飛翔の連続的な位置(3次元座標上)や、速度とその変化のデータを取得し、3次元での利用空間について密度分布解析を行った。 UAV撮影については、静岡県富士市(富士川河口)及び茨城県大洗市(涸沼)において、上空より水面上の水鳥類の撮影を行い、水面上で休息、採餌する個体(セグロカモメ、マガモ、バン、ミコアイサ、アオサギ等)の位置を特定した。さらに、上空より撮影した場合に特徴のある背面(頭部、上背、下背他)を持つ鳥類種を撮影映像から自動的に認識するため、パターンマッチング、機械学習等の画像処理適用の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期観測については、予定していた観測場所が米軍規制区域となっていたことから、計画時点の調査サイトを変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元カメラシステムについては、技術を保有している可搬型の3次元カメラシステムに加え、カメラを魚眼レンズに対応することで、より広範囲の3次元化が可能な撮影システムを構築した。平成31年度は、この新しい撮影システムを用いて、越冬期の鳥類飛翔を全天に近い範囲について特定し、3次元での利用空間を特定する解析を行う。 調査サイトを変更したことにより、越冬期調査が1年間遅れた形となったが、最終年度(平成30年度)にも観測調査を行うことで対応する。
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Causes of Carryover |
越冬期における3次元カメラ観測およびUAV調査の一部遅れにより、旅費の一部が計画より減額となったが、次年度実施することで対応する。
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