2017 Fiscal Year Research-status Report
ドローンを使ったおいしい牧草生成のための施肥システムの構築
Project/Area Number |
16K00658
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
松村 寛一郎 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (10333551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (20354011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 施肥管理 / UAV画像 / 植生指数 / ハンドヘルドセンサー / オルソ画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年の4~11月にかけて、定期的に道東地域の能取湖に面した牧草地において、UAVをMission Planner(Mission Planner, 2017)を用いて飛行経路を設定し、自動飛行アプリであるLitche (Litche, 2017)を用いて高度100メートルから3秒毎に連続写真の撮影を行った。AgiSoft社が提供するPhotoScan (Photo Scan, 2017)を用いて連続写真の合成処理(オルソ化)を行なった。機材は、DJI社製のPhantom3 Professionalに米国のIRPro社が提供する近赤外線レンズを北見市に本社があるシュートテック社の協力を得て架装した。同社によればレンズはRGBのBに近赤外が割り当てられるためにBNDVIと定義される。Parrot社のSequoia、MikaSense社のRedEdgeカメラは、ドローン搭載用の本格的なマルチスペクトルカメラであり、現時点においては、カメラ単体が高価格であるために、広く一般の農家の方々が気軽に利用できるものでない。本研究で用いた機材は、レンズ代と加工代で数万円、UAV本体価格についても型落ち品であり数万円であるために比較的容易に導入可能であると考えられる。 年に3回ある刈り取りの前後の植生指数を比較をする事で、施肥量を削減できる可能性を示した。帯広にあるスペースアグリ社の協力を得て、プラネット社が提供する解像度3メートルの人工衛星画像との比較を行い、ドローンと人工衛星データの組み合わせの可能性を検討している。牧草地の刈り取ったサイロの成分分析結果を牧場主から入手して、ドローンで撮影した画像との関連性について検討を行っている。ハンドヘルドセンサーを用いての牧草地の計測を行い、UAVで撮影されたデータとの整合性を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
牧場主の協力を全面的に得ることができ、地域の酪農家の関心も高い。特に可変施肥の可能性に繋がり、ちかい将来に肥料のUAVによる肥料散布が解禁になる際の有用な知見の提供がなされた。解像度3メートルの人工衛星のデータがスペースアグリ社の協力を得て入手できるようになったことも成果につながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
採集された牧草地のサイロの成分分析結果を入手できたのでUAVおよび人工衛星による観測結果との関連性を求めること、採集されたサイロと実際の牛の嗜好性との関係を牛舎内を観測できる仕組みの構築を通じて、数値化する事で、総合的な牧草地から牛の嗜好性を踏まえた管理システムの発展へ繋げたい。さらに可変施肥の実現に向けての農薬散布UAVとの組合せによる研究の検証と発展につなげたい。
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Causes of Carryover |
植生指数を求めるための専用に設計されたカメラの購入を検討しているため。
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