2016 Fiscal Year Research-status Report
分子レゴブロックを基盤とする高分子のケミカルリサイクルシステムの開発
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16K00659
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岩村 武 東京都市大学, 工学部, 准教授 (10416208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 雅士 東京都市大学, 工学部, 准教授 (30362453)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子レゴブロック / 高分子合成 / 重合 / 解重合 / ケミカルリサイクル / アップグレードリサイクル / トリフェニルイミダゾール / Diels-Alder反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃棄物の転換利用は、処分場の不足対策、循環型社会の構築の観点から喫緊の課題である。年間排出量が1000万トンにも及ぶ廃プラスチックは、現状では60%程度しかリサイクルされておらず、さらにその内の約60%はサーマルリサイクルとして焼却され、結果的には二酸化炭素を排出している。一度大気中に拡散した二酸化炭素を化学原料として活用することは現状では極めて困難であるので、できるだけ化石燃料由来のプラスチック類を燃焼させないことが重要である。そこで本研究課題では、様々な元素群で構成される『分子レゴブロック』という構造単位を設計・合成し、これらを高分子化・高次化させることで、リサイクルが可能な新しいタイプの高分子の合成を目的とした。 可視光や圧力などの外部刺激により可逆的に変換可能な共有結合を形成するトリフェニルイミダゾール部位を分子内に複数導入した分子レゴブロックを合成することができた。また、Diels-Alder反応により高分子化することが可能なフラン骨格あるいはマレイミド骨格を分子内に複数有する分子レゴブロックの合成にも成功した。特に、フラン骨格あるいはマレイミド骨格を分子内に複数有する分子レゴブロックでは、有機系分子レゴブロックと無機系分子レゴブロックを合成することができた。これらの分子レゴブロックを用いた分子レゴブロックポリマーの合成および解重合条件についても予備的な検討を行った。その結果、これらの分子レゴブロックは重合性および解重合性をあわせ持つことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モノマーに相当する分子レゴブロックを合成することができた。特に、トリフェニルイミダゾール骨格を有するタイプの分子レゴブロックと、Diels-Alder反応により高分子化できるフラン骨格を有する分子レゴブロックとマレイミド骨格を有する分子レゴブロックの2つのタイプの分子レゴブロックの合成に成功した。また、これらの分子レゴブロックについて、濡れ性などの特性の異なる分子レゴブロックを合成することができた。これらの分子レゴブロックを用いた分子レゴブロックポリマーの合成および解重合条件についても予備的な検討を行ったところ、これらの分子レゴブロックは重合性および解重合性をあわせ持つことが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、無機ブロックとしてかご型シルセスキオキサン(POSS)を利用することを計画していたが、POSS限定することなく汎用的なシロキサン結合を有する骨格の活用を検討する予定である。28年度で合成した分子レゴブロックを用いて、29年度は分子レゴブロック高分子の重合および解重合反応を詳細に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
モノマー合成等での試行錯誤が当初の見込みよりも多かったことから、前倒し請求を行った。その後、分子レゴブロックポリマーの予備的な合成実験が想定していたよりも順当に進んだことから29年度への繰り越しが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては、28年度で合成した分子レゴブロックポリマーの合成条件および解重合条件を詳細に検討することから、これらの検討に必要となるガラス器具、薬品の購入を計画している。
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