2017 Fiscal Year Research-status Report
分子レゴブロックを基盤とする高分子のケミカルリサイクルシステムの開発
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16K00659
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岩村 武 東京都市大学, 工学部, 准教授 (10416208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 雅士 東京都市大学, 工学部, 准教授 (30362453)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子レゴブロック / 高分子合成 / 重合 / 解重合 / ケミカルリサイクル / アップグレードリサイクル / トリフェニルイミダゾール / Diels-Alder反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究により、Diels-Alder反応を利用することで分子レゴブロック高分子を合成することができたことから、本年度では、2,4,5-トリフェニルイミダゾールダイマー骨格を利用した分子レゴブロック高分子の合成を試みた。 ビスイミダゾール型分子レゴブロックは、1,10-デカンジオールと塩化メタンスルホニルを、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン存在下、無水THF 中で反応させることにより1,10-ジメタンスルホニルデカンを収率70%で合成し、これと4-(4,5-ジフェニル-1H-イミダゾール-2-イル)-フェノールを、炭酸カリウム、テトラ-n-ブチルアンモニウム ブロミド存在下、無水アセトニトリル中で反応させることにより、収率67%で合成した。 得られたビスイミダゾール型分子レゴブロック1を水酸化カリウム、フェリシアン化カリウム存在下、THF/エタノール混合溶媒中で反応させることにより青色固体を得た。 得られた固体のGPC測定より、Mn=8400、Mw/Mn=3.24であることが明らかになった。また1H NMRスペクトルでは、トリフェニルイミダゾール部位のプロトンに由来するピークがδ 6.42-8.38 ppmに観測された。また、デカメチレン鎖に由来するピークがδ 3.70-4.00 ppmとδ 0.70-2.00 ppmに観測された。以上のから、ビスイミダゾール型分子レゴブロックが直鎖上につながった分子レゴブロックポリマーであることが示唆された。また、シロキサン結合を有する分子レゴブロックについても合成法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モノマーに相当するビスイミダゾール型分子レゴブロックの合成法を確立することができた。また、シロキサン結合を有する分子レゴブロックの合成法についても検討を行うことができた。合成したビスイミダゾール型分子レゴブロックを利用し、その重合挙動を検討することにより、分子レゴブロック高分子の最適な合成条件を明らかにすることができた。また、得られた分子レゴブロック高分子をゲルパーミエーションクロマトグラフィー、1H NMRスペクトル、13C NMRスペクトルを利用することにより、その構造を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
合成したビスイミダゾール型分子レゴブロックポリマーの解重合挙動について検討し、そのケミカルリサイクル性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
ビスイミダゾール型分子レゴブロックの合成について、当初の見込みより少ない試行錯誤で最適化できたことから、次年度使用額が生じた。今後は、分子レゴブロックを用いた重合挙動の検討に加えて、解重合挙動の検討を行いケミカルリサイクル性について評価する。
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