2017 Fiscal Year Research-status Report
使用済み小型家電の高度再資源化技術開発のための基礎的研究
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16K00664
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
葛原 俊介 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (60604494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺門 修 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (90402487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小型家電 / 金属リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
・ハロゲン揮発法を用いた金属回収 (1)熱分解および燃焼プロセスでのTBBPA(tetrabromobisphenol A)分解時におけるPdの化学形態を検討するために、試薬のTBBPAおよび数種類のPd化合物を用いて加熱試験を行った。その結果、TBBPAとPdOの混合試料のAr雰囲気、温度450℃での加熱後試料にPdの臭素化物が存在することがSEM-EDSの結果から明らかとなった。 (2)廃基板の加熱処理時における金属の化学形態について基礎的な知見をえるためにPCメモリ基板の加熱試験を行った。また、試験前後の元素マッピングおよび結晶構造、マテリアルバランスの解析を通じて金属の化学形態を検討した。SEM-EDSからCuおよびZnとBrの共存を示唆する結果を得た。また、加熱残渣を水で抽出したところ、Cu、Zn、Brが検出され、CuおよびZnの一部が臭素化されている可能性を示唆するものであり、次年度、詳細な検討をすることにした。
・使用済みリチウムイオン二次電池の適正処理方法の確立と金属資源価値評価 (1)昨年度に適正処理方法を確立して資源価値の評価の一部を実施したので、今年度は資源価値の高い電池の収集を行った。次年度に収集した電池の評価(化学分析)を行い、年代別のリサイクルプロセス提案に向けた基礎試験を行う準備ができた。また、正極活物質(試薬)からリチウムを高効率で回収する試験も実施して、リチウム回収率90%以上を達成できる条件を見つけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・ハロゲン揮発法を用いた金属回収 今年度はPdとTBBPAの混合試料を用いた加熱試験の実施および論文化を行った。論文の状況としては、4月初旬にアクセプトの連絡を受け、順調に研究が進捗していると言える。また、実基板を用いた実験は、解析作業がやや遅れているが、今年度から林博士を研究分担者として本研究に協力をして頂き、スピードアップを図る。
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Strategy for Future Research Activity |
・ハロゲン揮発法を用いた金属回収 これまでの実験結果をまとめ1本の論文を作成していく。その際、論文作成に必要なデータを積み上げるために必要な実験を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたが、金額もわずかであり、順調に予算執行している。次年度は、計画通りに使用する予定である。
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