2016 Fiscal Year Research-status Report
地域制公園の自然保護制度を活かした文化資源の保護と協働に関する研究
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16K00667
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山本 清龍 岩手大学, 農学部, 准教授 (50323473)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 富士箱根伊豆国立公園 / 十和田八幡平国立公園 / 三陸復興国立公園 / 生業 / 災害 / 里山 / 里海 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度の調査として,一つ目は,白神山地(世界自然遺産・自然環境保全地域),富士山(富士箱根伊豆国立公園),岩手山(十和田八幡平国立公園),三陸沿岸部(三陸復興国立公園)の文化資源の分布状況を把握するため,文献複写など文献収集作業を行った。 二つ目は,三陸復興国立公園に指定さている尾崎半島との関わりが深い釜石市の漁業集落,佐須集落において,7月23日(土)に集落住民を対象とする戸別訪問ヒアリング調査を実施し,住民が考える半島トレイルの魅力と課題,半島における生業と生活,災害史と災害観,他の集落との関係性を明らかにした(未公表)。また,同国立公園内の宮古・下閉伊地域の森里川海の連環に着目し,農林水産業従事者を含む「森・川・海」保全・創造協議会の構成員を対象とする郵送回収式アンケート調査を1,2月に実施し,地域資源への関わり方によって保全意識が異なること,協議会の認知度向上の必要性などを指摘した(地本・山本,2016)。 三つ目は,11月29日(火)に,富士山吉田口環境保全推進協議会構成員を対象とし,文化の保全と継承をテーマとするワークショップを開催し,発言内容をすべてテキスト化した。また,同様に,三陸復興国立公園浄土ヶ浜で11月10日(木),12月8日(木),1月12日(木),2月17日(金)に開催された浄土ヶ浜の将来ビジョンを考えるワークショップに参加し,全4回のワークショップの発言内容をテキスト化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した調査はおおむね実施できたほか,2017年度実施予定のワークショップの開催を2016年度に2つの国立公園で実施し,予定よりも進展している。しかし,有形,無形の文化資源のインベントリー(目録)化,マップ化の作業など一部の計画が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画のうち,実施できなかった作業として,有形,無形の文化資源情報のインベントリー(目録)化,文化資源のマップ化作業の一部があるが,これらの作業は,今後の研究の進展の中で自ずと蓄積される情報を丹念に整理するということでもあり,今後は適宜,情報の整理作業を行うこととする。 また,2017年度は,2016年度に開催した5回のワークショップに加えて,十和田八幡平国立公園,白神山地を対象とするワークショップを企画,検討する。その上で,文化資源の価値認識とその構造,自然保護との価値観の対立構造の解明を行う。
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Causes of Carryover |
文化資源情報のインベントリー(目録)化,文化資源のマップ化作業など,一部実施できなかった調査,作業があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文化資源情報のインベントリー(目録)化,文化資源のマップ化作業に必要な経費に使用する。
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