2017 Fiscal Year Research-status Report
地域制公園の自然保護制度を活かした文化資源の保護と協働に関する研究
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16K00667
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 清龍 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (50323473)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 富士箱根伊豆国立公園 / 十和田八幡平国立公園 / 三陸復興国立公園 / 生業 / 災害 / 里山 / 里海 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は4つの研究対象地において研究活動を実施した。一つ目の研究対象地,白神山地では,7月に白神山地ビジターセンターにおいて来館者の行動観察調査を実施し(佐々木啓・山本,2017a),8月にはアクアグリーンビレッジANMONを加えて来訪者アンケート調査(佐々木啓・山本,2017b)を実施した。調査結果をふまえ,3月には白神山地ビジターセンター職員を対象とするワークショップを開催し,ビジターセンターのあり方,文化資源の展示方法に関して意見交換を行った。二つ目の研究対象地,三陸沿岸部では,8月に石巻市来訪者を対象とするアンケート調査を実施し,震災遺構や語り部を活用した震災復興の方向性について論点を整理した(佐々木薫子・山本,2017a)。また,釜石市尾崎半島では,森林火災発生後の被災状況調査,焼失したトレイル階段の木枠を石積みで再整備するワークショップを実施した(齋藤・山本,2017)。さらに,同半島における自然・文化資源の一覧,空間分布状況を整理して国際学会において報告した(Yamamoto et al., 2017)。加えて,同市箱崎半島では,写真分析を通して観光資源性評価とガイドプログラムの提案を行った(佐々木薫子・山本,2017b)。三つ目の研究対象地,富士山では,8月の富士登山者意識調査の結果を題材にして,富士山の管理に関わる関係者を対象とするワークショップを2月に実施した。そのほか,岩手山については,過去の岩手山登山者の意識調査の結果をとりまとめて(久保・山本,2017),ワークショップ開催の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度中に4つの研究対象地の文化資源情報の整理はおおむね終了した。また,また,文化資源を再評価するためのワークショップは3つの研究対象地ですでに実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
文化資源を再評価するためのワークショップをまだ実施していない研究対象地が1つあるが,議論の素材は準備できており,2018年度に実施する。また,同年度には,価値観の対立構造の把握,合意形成の方法論の検討を意図して,ワークショップの議論の内容,過程を分析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,文化資源を再評価するためのワークショップをまだ実施していない研究対象地が1つあるためである。しかし,議論の素材となる研究成果と情報の整理は準備できており,2018年度に実施する。
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