2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on discovering issues and its countermeasures by popularization of Next-Generation Vehicles; Focus on the proper disposal and recycling
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16K00668
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 創 拓殖大学, 国際学部, 准教授 (10407661)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 次世代自動車 / 国際資源循環 / 越境環境問題 / エネルギー格差 / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、日本から発生する中古ハイブリッド自動車の主な輸出先である、モンゴル国を事例に、使用済みバッテリーのリユース、リサイクル実態を明確し、国際資源循環と越境環境問題の新たな課題を導出するとともに、今後の国際協力の課題とあり方を明らかにした。使用済みニッケル水素バッテリーを再生・再利用することは、リサイクルに比べて資源効率と環境性に優れており、段階的な利用が望ましい。しかし、モンゴル国は再生技術の問題で充電効率が低いだけではなく、廃バッテリーは、家庭ごみとして捨てられている。一方、遊牧民は自動車用鉛バッテリーを家庭用蓄電池として使用しており、人や家畜の健康被害、土壌汚染などが懸念される。 本年度はこれらの課題を明らかにするため、ニッケル水素バッテリーのリユース、リサイクル状況、遊牧民のエネルギー利用実態を明確にし、国際資源循環の課題を導出した上、国際協力のあり方について政策提言した。 まず、日本国内では殆ど回収できない、使用済み(中古)ハイブリッド自動車はモンゴル国の輸入台数が最も多く、すでに年間3万台を超えている。しかしモンゴル国で発生される使用済みニッケル水素バッテリーは適正処理と再資源化できず、最近国際資源循環の必要性が議論されている。現在、再生バッテリーとして流通している古いバッテリーも、数年内に廃棄物として大量に発生することが予想されるため、自動車メーカー、両国の関連省庁、研究機関等が連携し、新しい国際資源循環ネットワークを構築すべきである。 また、鉛バッテリーを蓄電池として使用している、遊牧民のエネルギー貧困を解決するために使用済みニッケル水素バッテリーの二次利用方法についても議論する必要がある。このように使用済み次世代自動車の有効利用は国際資源循環だけではなく、国連で提唱した持続可能な開発目標(SDGs)達成のための国際事業として位置づけるべきであろう。
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Research Products
(10 results)