2017 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な再生エネルギー利用総合評価法の構築とその太陽光発電技術への応用
Project/Area Number |
16K00673
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
眞弓 浩三 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (40253182)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 環境経済学 / 再生エネルギー / 循環型社会 / ジュボンズパラドックス |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年春に専門誌Applied Energyに掲載された学術論文”Toward an integrated assessment of the performance of photovoltaic power stations for electricity generation”において、研究課題の主たる目的であった持続可能な再生エネルギー利用総合評価法の構築とその太陽光発電技術への応用というテーマがほとんど達成されたので、2017年4月からは、再生エネルギー利用の3つの中心的側面である(1)技術的自立性;(2)資源制約・環境負荷的自立性;(3)社会経済的自立性)に密接に関係するエネルギー効率性の逆説である「ジュボンズパラドックス」について考察を進めた。ジュボンズパラドックスとはエネルギー利用の効率性を上げると、結果としてエネルギー消費の総量は増加するというものであり、経済学者のジュボンズが1865年に「石炭問題」の中で初めて指摘したのである。標準経済学の分野ではリバウンド効果としてよく知られている。このジュボンズパラドックス現象を、アルフレッドロトカのエネルギー流量最大化原理(生物の適応進化はエネルギーを最大限体内に取り込もうとする方向に進む)とプリゴジーンの最小エントロピー発生原理(開放系散逸構造の挙動を支配する原理)から説明することができることを示した。その際に、ケスラーが導入し、理論生態学でさらに発展されたホロンやホラキー、さらにホリングの適応サイクルなどの概念を利用した。この成果が、Frontiers in Energy Researchに2018年4月4日付けで掲載される旨の連絡を2018年3月に当該雑誌編集長から受けた。また、掲載号は第6巻(1ページから13ページ)ということも併せて連絡を受けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2017年春にApplied Energyに掲載された学術論文”Toward an integrated assessment of the performance of photovoltaic power stations for electricity generation”において、研究課題の主たる目的であった「再生エネルギー利用の総合評価法の構築とその太陽光発電への応用」というテーマがほぼ達成されたため、エネルギー効率性に関するジュボンズパラドックスについて研究することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
化石燃料から再生エネルギーへの代替の最終目的は、循環型社会の実現であると思われる。そこで、平成28年度と平成29年度の成果を利用して、再生エネルギーと循環型社会に関わる問題を最終年度で考察する予定である。
|
Causes of Carryover |
予定していた図書の価格が予想以上に安価であったために、2万円ほどの未使用額が生じた。最終年度(平成30年度)ですべて使用する予定である。
|