2018 Fiscal Year Research-status Report
なぜ連携が起きるのか?-環境保全活動における多主体連携の生起要因に関する研究-
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16K00677
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
井手 慎司 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50275161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 奈央子 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (30623847)
佐藤 祐一 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 主任研究員 (30450878)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境保全 / 協働 / NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
連携の実態と団体の特徴を把握するために『環境NGO・NPO総覧オンラインデータベース』に記載されている環境保全を行う特定非営利活動法人・任意団体1707団体を対象にアンケート調査票を実施した.調査は2018年8月2日から11月23日,回答数は156件(有効回答率は9.1%)であった. その結果,「現在,連携している」団体が80.8%(126団体)であった.連携活動の内容は「研修会・交流会などの開催」が56団体と最も多く,続いて「自然保護のための環境改善」が40団体,「課題解決のための議論や計画づくり」が38団体であった.また,連携期間は,平均値は約9年,中央値は6年,最大値は68年,最小値は1年であった.さらに,連携活動のために各団体が提供している資源について,回答団体は「人手」と「専門スキル」,他の市民団体は「人手」,行政は「資金」と「場所」,企業は「資金」と「人手」,大学は「人手」と「専門スキル」を主に提供していることが分かった.また,連携主体間の調整役であるコーディネーターがいると回答した団体は64.4%(85団体)であった. 以上の回答結果を用いて連携活動を6種類に分類した.各類型の特徴を確認したところ,例えばモニタリング調査や環境教育などを実施している場合,会員やスタッフに対する人材育成の頻度が高く,団体内には専門スキルを有した会員やスタッフが多いことが明らかとなった.また,団体設立当時よりも活動事業数が増加するなど,団体としての成長や活動の発展につながっていること,団体の予算規模が小さいため予算の確保のために他の組織と連携することが多いことなどが考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査やプレ調査を踏まえ,アンケート調査項目を検討し,調査を実施することができた.また,単純集計と類型化より,連携内容に応じた実施団体の特徴について考察を行うことができた.しかし,今後,より客観的な分析を実施する必要があると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
実施されたアンケート調査の回答結果を用いてより客観的な統計解析を行う.具体的には,主成分分析などを用いて連携活動内容や各主体の提供物によって活動を類型化し,活動内容に応じた連携促進要因・阻害要因を明らかにする.
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Causes of Carryover |
収集したデータを基により詳細な分析を検討するため.また,研究結果のとりまとめと論文執筆を行うため.
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Research Products
(1 results)