2016 Fiscal Year Research-status Report
エネルギーリテラシー教育プログラムが学習者の環境配慮行動に与える影響の検証
Project/Area Number |
16K00678
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
和田 有朗 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (00441410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 加都子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (10330507)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | エネルギーリテラシー教育 / 電力自由化 / 消費者 / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、消費者が再生可能エネルギーの利用拡大及び省エネルギー活動に積極的に関与していくことが求められている。しかし、家庭部門を担う一般消費者においては、エネルギーに関する基礎知識が不足しているために、積極的な行動が実行されていない。本研究では、社会に出る一歩手前の段階にある大学生をプレ消費者とみなし、一般的な大学生のエネルギーに関する知識と、今後必要なエネルギーリテラシー教育の内容を明らかにするために、アンケート調査を行うこととした。アンケート調査に用いる質問紙を作成するために、関連資料・文献を収集し、実務家等のヒアリングも行い参考にした。作成した質問紙を本調査の前に申請者らの大学の学生を対象にアンケート調査(プレテスト)を行い、その結果をもとに、指摘があった内容について修正を行い、質問内容をより分かりやすく、回答しやすいものにした。本調査では大学生を対象に外部講師によるエネルギー教育の講義を2回行い、それぞれの講義前後でアンケート調査を行い、合計4回の回答を得た。 アンケート調査結果より、電力自由化などを含む安定的なエネルギー確保に向けた新たなシステム構築に必要な知識と、大学生の認識、理解との差について、エネルギーリテラシー教育の前後でエネルギーに関する知識やエネルギーに対する意識に変化があるのかを明らかにした。さらに、4回の調査データを用いて共分散構造分析を行い、大学生のエネルギーに対する意識の仮説モデルを検証した。多母集団同時分析を行い、講義内容による大学生のエネルギーに対する意識変化を比較し考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初からの計画通り、既往研究等を参考に質問紙を作成し、プレテストによる修正を行い、アンケート調査を実施した。調査データを分析し、仮説モデルの検証を行うとともに、講義内容による大学生のエネルギーに対する意識変化の比較を行うことにより、初年度から一定の研究成果を得ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年に電力の自由化が、2017年にはガスの自由化が始まっており、今後は、電気だけではなくエネルギー全般について一般消費者が正しく理解し、行動することが求められている。夏休みを利用して、新たなエネルギー対策の実施現場およびエネルギー関連会社に併設するミュージアム等を見学し、体験・体得してエネルギーリテラシー教育の課題を把握する。 当初からの計画を多少変更し、大学生のエネルギーリテラシー教育を促進するための指導案(講義、グループワーク等)を作成するために、エネルギーリテラシー教育を受講した後、グループワークや発表を行い、教育効果を検証する。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗は概ね計画通りであるが、人件費があまり発生しなかったことと、学内業務により、一部旅費を執行できなかったためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
二年目においては、エネルギーリテラシー教育を行うため、当初からの計画に加えて、それらの調査に使用する。
|