2016 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア海域世界におけるボランタリー漁民組織とローカルコモンズの生成
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16K00683
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 孝広 東海大学, 海洋学部, 講師 (50386653)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ボランタリー漁民組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の課題は、年次計画に基づき次の二点、①当該地域におけるボランタリーな漁民組織の社会的な位置づけ、②生業資源間の高い流動性とボランタリーな漁民組織との関わり。に関する基礎的なデータ収集を行うことであった。 今回調査対象とした漁民組織は、アルタバス町のA. Small Fisherman's Association、O. Fisher Folk Association、T. Fisherman's Associationである。前2者は2013年のヨランダ台風前、後者は台風後に発足している。 今年度は時間的制約もあり、特に①当該地域におけるボランタリーな漁民組織の社会的な位置づけに重点を置き、アルタバス町のA. Small Fisherman's Associationを中心に、構成員、構成員の世帯背景、具体的な活動の内容、外部組織との関係について、当該組織のリーダーを中心に聞き取り調査を行った。あわせて比較的活発な活動を展開しているA. Small Fisherman's Associationとともに現在活動が低調なO. Fisher Folk Associationに焦点をあて、同じく構成員と生業背景について聞き取りを行った。後者は前者と比較して外部組織との連携が不十分であり、構成員の生業背景も多様であることが明らかとなった。 今年度は、漁民組織に所属していない漁民の背景についてもケーススタディーとしてデータを収集することができた。これらを通して年次課題①、②について考察するための基礎データは収集することができたと考える。また、結成時期が異なり、組織の活動として活発さのことなる3つのボランタリー漁民組織を追うことは、調査対象となるバタン湾内の海面利用の動態について立体的に解き明かす糸口になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査期間が限られているために比較対象として想定しているイビサン町の漁民組織調査に十分な資源を回すことができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初同程度の比重で比較対象としていたイビサン町の漁民組織調査に関しては、2004年からのデータ蓄積をもとにできるだけ簡略化することで、アルタバス町での調査に研究資源を集中させる予定である。
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