2017 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア海域世界におけるボランタリー漁民組織とローカルコモンズの生成
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16K00683
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 孝広 東海大学, 海洋学部, 講師 (50386653)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ボランタリー漁民組織 / ローカルコモンズ / カキ養殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の調査は、科研(課題「東南アジア海域世界におけるボランタリー漁民組織とローカルコモンズの生成」)の年次計画に基づき、次の2点について基礎的なデータ収集を行うことであった。①生業資源間の高い流動性とボランタリーな漁民組織の生成②ローカルコモンズの生成・再編と地域社会における正統性 8月の調査は時間的制約もあり、調査では特に①に関する調査のうち特に調査対象となっている漁民組織であるAltavas Small Fisherman's AssociationとTinagon dagat Fisherman's Associationの代表者・関係者に、各組織の活動現状と構成員の動態について聞き取りを行った。あわせて、各組織漁業者の流通実態を明らかにするために、調査地であるアルタバス町の3つの船着き場において水揚げの観察とグループ漁業者と仲買人に聞き取りを実施した。これまでの調査で欠落していた流通段階を確認したことで、漁民組織の活動実態と動態に迫る一つの切り口を得ることができた。 3月の調査は、主に②の集団的垂下式カキ養殖棚の経営にみられるローカルコモンズの生成と台風被害によるコモンズ再編過程について聞き取り調査を行う予定であったが、校務のために実施することができなかった。そのため、すでに収集した写真、フィールドノートの整理を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3月に校務の関係で当初予定していた現地調査が実施できなかった。そのため当初予定していた集団的垂下式カキ養殖棚の経営にみられるローカルコモンズの生成と台風被害によるコモンズ再編過程について聞き取り調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度8月の調査では、昨年度から継続している①生業資源間の高い流動性とボランタリーな漁民組織の生成の補充調査を実施し、3月に臨時の補充調査を実施し、科研最終年度のテーマである②集団的垂下式カキ養殖棚の経営にみられるローカルコモンズの生成と台風被害によるコモンズ再編過程とコモンズの正当性について研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
校務の関係で3月に2週間程度予定していた現地調査が実施できなかったため、旅費分の次年度使用額が生じた。2018年度、研究の遅れを取り戻すべく3月に臨時の補充調査を実施しそれに充当する予定である。
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