2016 Fiscal Year Research-status Report
過少利用による生物多様性の減少問題:地域振興には自然再生か、それとも需要喚起か?
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16K00691
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
河田 幸視 近畿大学, 経済学部, 准教授 (60449022)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 過少利用 / 自然再生 / 地域振興 / 奈良公園 / 再導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)日本全国でシカの個体数が増加し、自然景観の破壊を含む多様な問題が発生している。この問題を軽減する方策の1つは狩猟圧の上昇である。狩猟圧を高めるには、狩猟をするインセンティブを高める必要があることから、狩猟した個体の獣肉や皮、骨とその加工品の販売を推進する試みが各地で行われている。しかし、そうした取り組みの多くは、必ずしも成功裡には進んでいない。そこで、本年度の研究では、狩猟圧の上昇が見込めない場合の対策のヒントを得るために、奈良公園を行動圏に含む奈良のシカを対象に景観調査を実施した。奈良のシカが奈良公園の樹木の葉を食べることで、ディアラインと呼ばれる独特の景観が形成される。そこで、ディアラインが写っている写真と写っていない写真(加工したもの)を準備し、ディアラインがシカによって形成されたという情報の有無によって、人々のディアラインの価値評価がどのように変化するかを分析した。 2)次年度以降に予定している日本におけるカワウソ再導入の研究のために、ラトビア国において、同国のカワウソの生息調査等のフィールドワークを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた国内アンケート調査は予定通り実施してデータを収集し、その結果は学術専門誌に投稿中である。海外現地調査も予定通り実施し、次年度以降の研究の準備をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、当初の研究実施計画に基づき進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内調査で、予備調査のみで十分なデータが得られたため、本調査の実施を見合わせた。そのため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在調整中であるが、過少利用の自然産物を用いた地域振興に係わる研究を検討中であり、次年度使用額は、この研究の遂行に充当することを予定している。
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Research Products
(1 results)