2018 Fiscal Year Annual Research Report
Design of temporary building and tourism attraction utilizing plant materials in state of management deficiency
Project/Area Number |
16K00716
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
松岡 拓公雄 亜細亜大学, 都市創造学部, 教授 (40315924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓生 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60434297)
白井 宏昌 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (40772033)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヨシ / 町屋 / 軽量構造 / 仮設パビリオン / 天井 / 人力施工 / 観光資源 / 地域資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
■最終年度に実施した研究成果 本研究においては、近江八幡市の景観や文化を象徴する素材としてヨシに着目し、空間デザインの材料として用いる方法を追求してきた。最終年度は、ヨシに加え、同地域の特徴的な景観を構成する観光資源である古民家町屋の内部に、ヨシを利用したインスタレーションおよびアート作品を作り上げることを試みた。 1つめは、ヨシをトラス状に組み上げ、町屋内部の吹抜け上に設置した「ヨシ天井」である。吊天井においては、接合部の劣化や大地震により落下した場合に大きな被害を生じる可能性があり、軽量かつ落下しないこと、さらに言えば、万が一落下してに人に接触したとしても大きな被害を生じさせない事、が重要である。素材としてヨシを利用し、天井自体が自立した構造体となり屋根から吊り下げる必要がなく、かつ、古民家町屋の内部空間に溶け込むようなデザイン性に優れた軽量な天井を開発し、制作を行った。 2つめは、町屋の奥庭に小さな真球ドーム状の空間「ヨシコクーン」である。内法直径2.5mの球体状の空間で、球の下部45cmが地面に埋まった形である。雨天時に内部に雨が入らないように、伝統的なヨシ葺きの工法を参考に、球体表面上に如何にして一定の水勾配をとりながらヨシを積層させている。真球の形状は、内法直径と等しい大きさのバルーンを仮枠としてその表面にCFRPロッドを編み込んだガイドを作成し、その上からヨシを葺き込むことで作られている。 ■研究期間全体を通じて実施した研究の成果 同地域の特徴的な素材であるヨシを軸とし、3か年に亘り、毎年特徴的なテーマを持たせた空間デザインの考案と制作を行い、実際に多くの観光客に作品を体験してもらうことができた。また、並行してヨシの素材としての機械的・物理的性質についてのデータを多く蓄積することができた。
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