2016 Fiscal Year Research-status Report
世代間交流による協働学習に関する研究-学生・児童・親世代をつなぐ学習デザイン-
Project/Area Number |
16K00719
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
杉原 麻美 淑徳大学, 人文学部, 准教授 (60742137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 協働学習 / 学習デザイン / 世代間交流 / ICT / アクティブ・ラーニング / 表現教育 / キャリア教育 / 情報デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異なる世代が交流して行われる協働学習に着目し、その学習効果を検証して学習デザイン上の要諦と今後の可能性を示すことを目的とする。具体的には、「大学生×児童×働く親」の世代間交流とICT活用を取り入れた学習プログラムとして企画・実施し、3カ年で汎用化を目指す。なお、この学習プログラムにはキャリア教育と表現教育の側面があり、後者には表現学科の有する専門性を活かせることから、学生の学修とも連携させていく。 平成28年度は、当初の計画通り、以下の(1)(2)を進め、ICT活用の知見およびMIテスト結果からの仮説が得られた。 (1)初年度の協働学習プログラムの企画・実施 → 児童1名ずつにタブレット端末を配布し、取材および新聞制作の工程に活用したところ、児童(5歳児~小6)の参加意欲向上、大学生と児童間の発話促進、成果物の完成度の高さなどが顕著だった。 (2)学習効果の測定・評価 → 参加大学生のワークショップ前後での意識変化を確認する目的で、ハーワード・ガードナーの多重知能理論(Multiple Intelligence:MI )にもとづく多重知能分析を試みた。参加した大学生のワークショップ前後でのMIテストの結果から、わずかながら「言語的知能(linguistic)」の向上傾向が見られた。世代の異なる児童と密なコミュニケーションをはかることや、新聞制作の過程で言葉を見つけていく作業などが影響している可能性も考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、当初の計画通り、初年度の学習プログラムの実施と学習効果の測定を行い、ICT活用の知見およびMIテスト結果からの仮説が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に申請段階の計画に沿って研究を進めるが、平成28年度の取組でICT活用の有効性と方向性が見えてきたため、平成29年度の計画に入れていたアプリケーションの開発は取り止め、キャリア教育、表現教育としてのプログラム拡充を進めるための汎用ツールの開発とファシリテーションの知見整理に力点を置く。また、ワークショップの実施対象を民間学童に広げるなどして、実施拠点からの意見収集とデータ収集を進め、「主体的・対話的で深い学び」を生む学習プログラムとして教育機関で実践的に活用できるプログラムの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
ワークショップに使用する機器と周辺機器の物品費が当初予定を若干上回ったが、旅費が首都圏内移動のみで計画以下に抑えられたため、平成28年度は、ほぼ当初予定通りで若干の差分が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度で出た残額は、平成29年度の旅費等で使用する。
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Research Products
(1 results)