2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K00721
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
小林 昭世 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10231317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古堅 真彦 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10254591)
寺山 祐策 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60163929)
圓山 憲子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80147008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視覚化 / デザイン / ダイアグラム / 記号論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「視覚化表現の統合に関する研究:ダイアグラムの拡張」は、ダイアグラムを中心に、デザンの最も重要な機能の一つでである「視覚化」について、情報の表示ばかりでなく、理解、認知、協働作業、意思決定の機能について研究する。本研究には三つの目標がある。(1)ダイアフラム、コミュニケーションのための図的(絵的)表現の成立の歴史を総合的に基礎づけ、アーカイヴ形成する。(2)ダイアグラムの表現構造の記号論的、数学的生成原理を解明する。 (3) 教育、地域デザイン等の問題解決、合意、理解、共働の場面での視覚表現の応用について考察する。 平成30年度は、上記研究目標の(2)との関連で、『デザインに哲学は必要か』2019,武蔵野美術大学出版,7章「意味を破綻させるデザインの可能性」を担当し、視覚化の認知モデルを記号論の観点から提示した。また「デザインを教えることはできるのか」2018、九州大学芸術工学部・武蔵野美術大学基礎デザイン学科共催デザイン基礎論連続シンポジウムでは、デザイン教育における視覚化の創造的機能をメタファ、アナロジーという記号的概念から検討した。研究目標(3)との関連で、「DISCUSSION ON THE SHAPING ARRANGEMENT OF MAJOLICA TILE WITH THE PAPER-CUT CREATION MODE」共著(Yu-Ya WANG,Akiyo KOBAYASHI他),2018.11,JSSD 2018 Vol.2,No.1,pp. 137-146、のでは、タイルの幾何学パターンの構成教育への応用について考察した。 寺山は博物との関連で視覚化資料の編纂を行い、古堅は動的表現を含めたダイアグラムの教育の実験を前年に引き続き行った。圓山は数学教育における視覚化表現の利用について検討をおこなった。このほかの研究成果については研究発表欄に記す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つの目標、(1)博物学、デザイン史における視覚化資料調査、(2)視覚化、主にダイアグラムの表現構造研究とデザイン方法における視覚化の検討、(3)視覚化の応用に関して、30年度は28年度、29年度に引き続き、小林は主に(2)と(3)、寺山は(1)、古堅は(3)、圓山は(3)の研究を遂行した。これらは研究の中には、成果の報告の通り、小林の論文や展示、講演等、成果のリストを示すことができるものもあれば、研究の進捗は認められるが、論文や出版、講演などの成果物には至っていないものも多い。来年以降、研究の成果が公表される予定である。 デザイン関連学会シンポジウム「デザイン×人工知能」、及び九州大学芸術工学部古賀研究室と連携し、デザインの「基礎」をテーマとする連続シンポジウムを開催できたことは上記研究の公表の機会として有意義であったことを付記しておく。
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Strategy for Future Research Activity |
31年度は本研究の最終年度になる。小林は主に研究目標(2)、寺山は(1)、古堅は(3)、園山は(3)を目標に、着手した研究を継続し、成果を公表する予定である。 成果の一部は、イギリス・マンチェスターで開催される国際デザイン学会連合会議、東京で開催される国際地図学会で発表を予定している。
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Causes of Carryover |
物品費について2018年度予算の使用が少なく、繰越となっている理由は、別の経費でコンピュータを購入したため、本研究費で購入する必要がなくなったためである。 (使用計画) 2019年、は最終年度に当たるので、二つの国際会議を始め、デザイン関連学会シンポジウム、日本デザイン学会会議の機会に、研究者と研究成果の交換及び研究成果の発表に関する意見交換をするための出張費として使用する予定である。
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