2016 Fiscal Year Research-status Report
タブレット画面の文字と背景色の色彩がアクセシビリティと生理心理反応に及ぼす影響
Project/Area Number |
16K00733
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
片山 徹也 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (00612805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40259700)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究院, 名誉教授 (50095907)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | タブレット / VDT / 色彩情報 / 疲労評価 / アクセシビリティ / ユーザビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
ICT(情報通信技術)の発達に伴い、近年新たな情報端末であるスマートフォンやタブレット型端末が普及している。そこで、本研究ではVDT(視覚表示端末)の一つであるタブレット端末に着目し、使いやすさやアクセシビリティの向上と疲労軽減に有効な文字と背景色の色彩条件を検討する。本研究の目的は次の2点である。(1)文字色及び背景色が異なるタブレット端末画面を用い、色相・彩度・明度の変化がアクセシビリティと心理・生理反応に与える影響を検証する。(2)上記(1)で明らかになった影響について、デスクトップ型コンピュータ画面との差異を分析し、タブレット端末の文字表示に適した画面配色を明らかにする。 本研究は平成28年度より3ヵ年の研究計画に基づき遂行中である。平成28年度は、タブレット端末の使用実態及び使用における問題を把握するためにアンケート調査を実施し、その後、集計データを分析した。調査期間は平成28年7月から8月、調査対象者は九州在住者を中心とする男性109人、女性156人、計265人である。調査項目は、スマートフォンやタブレット端末の所有状況、使用時間、使用目的、使用時の心身の症状、画面閲覧時に感じる問題点とした。アンケート調査回収後、データ入力及び統計分析を行った。スマートフォンやタブレット端末の使用時に問題点(使いにくさ、見にくさ、読みにくさ、心身の変調)を感じる場合、画面上の文字表示や配色等との関連がみられるか分析した。本調査結果については、平成29年度に論文投稿及び学会発表にて報告する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3カ年の研究実施計画に基づき、平成28年度はスマートフォン及びタブレット端末の使用実態調査の実施と集計及び分析と考察を主たる研究活動として設定し遂行したことから初年度の遂行目的が達成できたと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度調査の分析結果と考察は学会発表ならびに論文投稿により報告する予定である。平成29年度はタブレット端末を用いた文字探索課題による実験を行う予定である。実験結果に基づき、無彩色及び有彩色の背景色による文字表示画面において、作業効率を向上させ、身体的疲労度や心理的負担を軽減する色彩条件を導出するとともに、タブレット端末による情報閲覧における快適な視環境整備のための推奨条件を明示する予定である。
|
Causes of Carryover |
タブレット端末を用いた実験で使用する文字探索課題で使用するソフトウェアの仕様決定及び購入時期が平成29年度となったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験のためのタブレット端末、文字探索課題用ソフトウェア開発、実験データの管理・分析のためのコンピュータ等の購入を予定している。その他、実験遂行のための研究補助者、被験者への謝礼、研究成果の発表として、関連学会において発表するための旅費、投稿費用等を主な支出として予定している。
|