2017 Fiscal Year Research-status Report
タブレット画面の文字と背景色の色彩がアクセシビリティと生理心理反応に及ぼす影響
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16K00733
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
片山 徹也 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (00612805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40259700)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究院, 名誉教授 (50095907)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 色彩情報 / タブレット / 文字色 / 背景色 / ユーザビリティ / アクセシビリティ / 疲労評価 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はVDT(視覚表示端末)の一つであるタブレット端末に着目し、使いやすさやアクセシビリティの向上と疲労軽減に有効な文字色と背景色の色彩条件を検討することを目的とした。タブレット端末の使用実態及び使用における問題を把握するため、平成28年度に若年者及び中高年者を対象にスマートフォンやタブレット端末の所有状況、使用時間、使用目的、使用時の心身の症状、画面閲覧時に感じる問題点を調査した。その結果、18歳から20歳代の若年者の利用による自覚症は、「目の疲れ」(69.7%)が最も多く、長時間利用者ほど目の疲れを感じていた。また、目の疲労を感じやすい若年利用者は、画面上の明度の低い文字を読みにくいと感じていた。30歳代以上の中高年者の利用による自覚症は、目の疲れ(68.5%)や目や視力への悪影響(57.3%)、体の痛みやだるさ(48.3%)であった。中高年者は短時間の利用でも目の疲れを感じることが示唆された。目の疲れを感じる中高年利用者ほど彩度や明度の高い色による見づらさ、文字の色やサイズ及び背景の明暗や模様による読みにくさを感じることが明らかになった。 上記研究成果は、人間-生活環境系学会第41回人間-生活環境系シンポジウム及び日本家政学会九州支部第63回大会にて発表した。平成29年度は、大学生を対象に文字色と背景色の異なるタブレット端末画面を用いた被験者実験(文字探索課題)を実施し、測定データの集計及び分析を行った。実験結果より得られた知見を関連諸学会において学会発表及び論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3カ年の研究実施計画に基づき、平成29年度はスマートフォン及びタブレット端末の使用実態調査結果の成果発表及びタブレット端末を用いた被験者実験の実施を主たる研究活動として設定し遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度調査結果及び平成29年度被験者実験結果に基づき、無彩色及び有彩色の背景色による文字表示画面において、作業効率を向上させ、身体的疲労度や心理的負担を軽減する色彩条件を導出するとともに、タブレット端末による情報閲覧における快適な視環境整備のための推奨条件を研究成果として明示する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に実施した被験者実験のうち、実験時期等の都合等によりデータ入力・集計業務の一部を平成30年度に実施する見込みであるため、実験補助者への謝金、業務に係る記録媒体及び消耗品等の経費として次年度使用額が発生した。その他、平成30年度は研究成果の発表として、関連諸学会にて発表するための旅費交通費、論文投稿費用等の支出を予定している。
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