2016 Fiscal Year Research-status Report
番組視聴者利益との調和をはかる速報表示のテレビ画面デザイン
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16K00734
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
伊師 華江 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 准教授 (10435406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 一道 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90395103)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | テレビ画面 / L字型画面 / 印象評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,テレビ画面における速報などの文字情報表示が,視聴者の番組・映像コンテンツ認知とその印象感受に及ぼす影響を実験的手法で定量的に分析することである.平成28年度は以下の2点を中心に研究を実施した. 1.評価刺激として使用する映像コンテンツ(評価刺激)の予備評価実験を実施した.画像・動画の素材サイトから種々の動画素材を入手し,2~3の動画素材を組み合わせた短編動画を複数制作した.そして,これらの動画像の印象特性を把握するために,セマンティック・ディファレンシャル法(SD法)を用いた印象評価実験を行った.得られた評定値データを因子分析にかけた結果,感情価因子と躍動感因子の2つの因子が抽出され,制作した短編動画の印象は,“感情価”と“躍動感”で特徴づけられることがわかった. 2.上記の映像コンテンツをL字型画面(動画像の映像表示領域を縦横比固定して縮小させ,その左余白に「気象情報」「交通情報」等の速報見出し,下余白に速報詳細を表示するレイアウト)で呈示する評価刺激を制作し,SD法による印象評価実験を行った.分析の結果,通常型の画面で呈示された場合と,L字型の画面で呈示された場合では,映像コンテンツの印象評価傾向に相違が見られる可能性が示唆された.今後,L字型画面による鑑賞が動画像の印象評価に与える影響について詳細な検討を行う.これらの予備的な検討結果は第12回日本感性工学会春季大会で発表(ポスター発表)された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた予備評価および予備的検討まで,一部計画の縮小があったもののほぼ予定通り進んでいると考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果を受け,次年度は,視線計測を伴う印象評価本実験を実施する予定である.視線停留の分析と,印象評価評定値の分析を総合して,速報などの文字情報表示が,番組・映像コンテンツの印象評価に及ぼす影響を定量的に分析する予定である.
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Causes of Carryover |
当初計画していた遠隔地での資料収集作業インターネットを通じた情報収集で代用可能となったため.また,評価実験で用いる新規映像制作をするために動画素材の購入を予定していたが,学会等で受けた指摘をもとに共同研究者と相談した結果,これまで制作済みの短編映像を再評価した上で新規の比較実験を実施することが適切であると判断し,刺激として用いることになったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
制作済みの映像を用いた比較実験の結果によって,これまでよりも高画質の評価用映像の制作をするために新規に動画素材を購入する.また,専門的な映像制作に関する情報収集を行う.
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