2017 Fiscal Year Research-status Report
環境配慮型ライフスタイルを促進するコミュニケーションの検討:国際比較実験を用いて
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16K00749
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40324959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 淳吉 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70311719)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メッセージの効果 / 省エネ製品の普及 / 環境配慮型ライフスタイル / 環境コミュニケーション / ゲーミング / 国際比較実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、省エネ製品を勧めるメッセージの効果の比較研究の本実験を実施した。そのため、実験刺激及び質問紙の作成を行った。本実験では、海外でも実施がしやすいように、条件設定をメッセージの送り手の2条件(友人、製品を製造した会社)とした。作成した実験刺激及び質問紙について、日本語から英語、中国語、ドイツ語への翻訳を行った。 今年度後半にこれらの刺激を用いた国際比較研究の本実験を日本、ドイツ、中国において実施した。ドイツ、中国に関しては、それぞれの国の共同研究者であるGundula Hubner, 李東輝に依頼して、大学生を対象に実験を実施した。日本での回収数は226(有効回答数161)、ドイツでの回収数は130(有効回答数94)、中国での回収数は132(有効回答数55)であった。チェック項目としてメッセージの送り手が誰であったかを尋ね、その回答が正答のデータのみを分析対象としため、有効回答数が少なくなっている。分析の結果、日本では友人条件と会社条件で差がなかったのに対し、ドイツでは会社条件の方が友人条件よりも省エネ製品購入意図の変化量が大きかった。 また、他者に環境配慮行動を取るように働きかけることが、説得者自身の態度、行動に変化を及ぼすかを検討するため、説得納得ゲームを用いた国際比較実験の準備を行い、1月に予備実験を国内において実施した。実験条件として、他者を説得する際に環境保全のメリットを重視する群と、個人的利益を重視する群の2群を設けた。分析の結果、省エネ行動意図はどちらの群も事後で上昇しており、群間の差は見られなかった。環境問題の深刻性認知は、環境保全群において有意に事後に高くなっていた。 説得納得ゲームの海外での実施準備のため、実験資料、質問紙の英語への翻訳を行い、3月に研究協力者であるKim-Pong Tamと香港科技大学で打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定通りにメッセージの効果の国際比較実験を3か国において実施し、第2のテーマである説得納得ゲームを用いた国際比較実験の準備と予備実験を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、説得納得ゲームの国際比較実験の本実験を行う。そのため、海外の共同研究者と協力しながら実験準備を行い、海外で説得納得ゲームを実施する。また、29年度に行ったメッセージの効果の国際比較実験の分析を進め、学会発表、論文執筆の準備を行う。
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Causes of Carryover |
・次年度使用額が生じた理由 29年度は質問紙の日本語から英語、ドイツ語、中国語への翻訳が必要であったが、知人・学生に依頼する等により翻訳費用の節約を試みた。また、海外の共同研究者との打ち合わせをできるだけメール等により行ったため、海外渡航費用に未使用分が生じた。 ・次年度使用計画 30年度には説得納得ゲームを海外で実施する必要があるため、研究代表者、および研究分担者の渡航費用として用いる。また、メッセージの効果の国際比較実験の分析、学会発表のための研究補助者雇用費用として用いる。
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Research Products
(9 results)