2016 Fiscal Year Research-status Report
養育・教育期家庭の基本的生活習慣改善に関する研究―行動変容ステージモデルの適用
Project/Area Number |
16K00751
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
坂本 有芳 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00468703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 衣代 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80300375)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 生活習慣 / 家庭教育 / 行動変容 / 遅寝 / ICT利用 / 電子機器利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
徳島県内の地方自治体における家庭教育担当者、家庭教育ファシリテーター等、家庭教育の実施に携わる人材を対象としたエキスパートインタビューを実施した。対象者の職場に訪問し、対象者1~4名に対し調査者2名で、1時間程度の時間で半構造化インタビューを実施した。 この5年間に実施してきた講座内容と方法、参加者の反応、講座の効果、基本的生活習慣の確立に対する講座の必要性の認識、講座内容や参加者集め、実施効果に対する認識を尋ねたところ、基本的生活習慣に関する基礎データが自治体間や専門部署間で共有されておらず、子どもの生活習慣についての現状が明確に把握されていないという問題が浮かび上がった。 同時に、スマートフォンや電子ゲームなど、電子機器利用の低年齢化が進み、電子機器利用時間の長さが遅寝、運動不足、食の乱れなど、様々な生活習慣の悪化を招いていることへの懸念が大きいことが明らかとなった。このため、電子機器利用や生活時間、食生活など基本的生活習慣の基礎データを収集することとし、一つの中学校区を対象とし、保育園児から中学生まで5学齢を対象としたアンケート調査を実施した。各学年約200票、合計1041票を配布し、934票を回収したところである(有効回収率:89.7%)。 県内における家庭教育講座については、「無関心期」を想定した講義中心の家庭教育講座から、「関心期」を想定した自己の再評価や動機付けを行うような、グループワークを主体とした新たなプログラムが作成され、スタートする段階にある。同様に近隣の自治体においても家庭教育講座はグループワークを主体としたものが主流となりつつあることがうかがわれた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、全国の自治体を対象とし、開設されている家庭教育講座内容を分析することとなっていたが、近隣の自治体を対象とした調査を通じて、特に乳幼児期における生活習慣に関する基礎的データの充実が喫緊の課題であることが判明した。このため、基礎的データの収集を先行させて急遽実施することとした。 現段階では基礎的データの収集が終了し、速報値による単純集計結果より、近隣自治体における子どもの基本的生活習慣の状況が把握できたところである。 今後、データクリーニングを進めて確定値を用いた分析を進めるとともに、当初予定していた全国の自治体を対象とした調査を並行して行うこととする。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度の研究を通じて、県内においては、スマホや電子ゲームなど、電子機器利用による生活習慣の悪化や様々なトラブルに巻き込まれることへの対策が急務であることが明らかとなった。また基礎的データにより現状を確認したところ、乳幼児期から小学生については電子機器利用時間は全国平均と同等か下回る程度であったものの、中学生については長時間利用が懸念される状況にあることが確認された。このため、県内の関係機関と協力しながら、電子機器利用を焦点においた生活習慣改善を進めることとする。 また当初の予定ではグループインタビュー等で現状を把握することに主眼を置いていたものの、グループワークを通じたアクションリサーチに変更することで、より社会にニーズに応えた形での研究を進めてゆく。並行して全国の自治体を対象とし、開設されている家庭教育講座内容の分析を進めてゆく。
|
Causes of Carryover |
当初予定していたパソコンの購入ができなかったこと、資料整理のためのアルバイト雇用ができなかったことが主な理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に予定していたパソコンを購入し、資料整理のためのアルバイトを雇用し、計画に沿った研究を進めてゆく。
|
Research Products
(2 results)